貿易戦争、欧州経済見通しを圧迫=トランプ氏勝利でECB副総裁
欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁(写真)は6日、ユーロ圏の経済成長は従来の予想を下回る可能性があるほか、世界貿易への障壁が貿易戦争の悪循環を招き、経済に一段とマイナスの結果をもたらす恐れがあるとの見方を示した。2022年12月撮影(2024年 ロイター/Wolfgang Rattay)
Harry Robertson
[ロンドン 6日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は6日、ユーロ圏の経済成長は従来の予想を下回る可能性があるほか、世界貿易への障壁が貿易戦争の悪循環を招き、経済に一段とマイナスの結果をもたらす恐れがあるとの見方を示した。
ユーロ圏の経済は過去1年間ほぼ横ばいで推移しているうえ、トランプ前大統領のホワイトハウスへの返り咲きはユーロ圏にとって打撃となる公算が大きい。トランプ氏先月、自身が勝利すれば、米国製品の輸入が不十分な欧州連合(EU)は「大きな代償」を払わなければならなくなると述べ、関税の発動を警告した。
デギンドス氏は、「関税、貿易障壁、保護主義は世界経済に悪影響を及ぼす」とした上で、「下される決定がいかなる貿易戦争も引き起こさないことを願う」と表明。関税を課すのであれば、相手側の報復を念頭に置く必要があるとし、「それはインフレや関税に関して悪循環を引き起こす可能性があり、最悪の結果を招きかねない」との考えを示した。