今年度の成長率を引き下げ、民間議員「十分な経済対策」提言=諮問会議
11月1日、石破茂政権発足後初めての経済財政諮問会議が1日開催され、内閣府は2024年成長率見通しを下方修正した。都内で2015年撮影(2024年 ロイター/Yuya Shino)
Yoshifumi Takemoto
[東京 1日 ロイター] - 石破茂政権発足後初めての経済財政諮問会議が1日開催され、内閣府は2024年成長率見通しを下方修正した。物価高が低所得世帯などを直撃しているとの分析を示した。25年度については、実質賃金のプラス基調が定着するとして従来見通しを据え置いた。民間議員からは、必要かつ十分な経済対策が必要との意見が出た。
内閣府は24年度の実質成長率見通しを、7月公表の前年比プラス0.9%からプラス0.7%に引き下げた。4─6月期の輸出が想定を下回り、外需寄与度見込みが従来のマイナス0.0%からマイナス0.4%に悪化するのが主な要因。
内閣府は「物価高により特に所得の所得の低い人々が厳しい生活を余儀なくされており、当面の生活支援を迅速に行い、地域の実情に応じたきめ細かな物価が対策が必要」と指摘した。
25年度の成長率については、プラス1.2%との従来見通しを据え置いた。物価上昇率を大きく上回る賃金上昇率の実現を見込み、消費が回復するとみている。
民間議員らは「経済効果を有する必要かつ十分な経済対策を講じることで、個人消費に力強さを取り戻す必要がある」との提言をまとめ、物価高に対して厳しい状況にある人々への重点的な支援などの必要性を指摘した。
石破首相は、策定中の経済対策について「足元の物価高に対応する」と説明し、「これまで以上に充実したものになるよう」赤沢亮正経済財政担当相に指示したことを明らかにした。