EU、対中クリーン技術貿易で適切なバランス必要=ドラギ氏
9月17日、欧州中央銀行(ECB)前総裁で前イタリア首相のマリオ・ドラギ氏(写真)は、EUが気候変動目標を達成する上で、中国製グリーン製品に依存するのは最も安価な方法かもしれないが、域内の関連雇用を維持するため、中国政府の支援を受ける競争相手にはバランスの取れた対応が必要との見方を示した。ストラスブールで撮影(2024年 ロイター/Johanna Geron)
[ブリュッセル 17日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)前総裁で前イタリア首相のマリオ・ドラギ氏は17日、欧州連合(EU)が気候変動目標を達成する上で、中国製グリーン製品に依存するのは最も安価な方法かもしれないが、域内の関連雇用を維持するため、中国政府の支援を受ける競争相手にはバランスの取れた対応が必要との見方を示した。
中国の年間の太陽電池生産能力は2030年までに世界需要の2倍に、バッテリーセルについては少なくとも世界需要と同等になるとし、「白か黒かの(明瞭な)解決策でこの課題に対処することはできない」と述べた。
ソーラーパネルなど域外メーカーが大きく先行している一部製品については、欧州の安価なエネルギー導入の資金を域外納税者に負担させるべきだと指摘。
また、域外技術の利用や対内投資にオープンであるべき分野もあれば、バッテリーなど域外技術に頼らず、独自のノウハウを保持すべき分野もあるとした。
さらに、欧州が革新的優位性を持つ新興産業については、国際的に競えるようになるまで育成すべきと述べた。
その上で「一律の保護主義を求めるものではない」と強調し、「全てのパートナー国に世界貿易機関(WTO)のルールを順守させるため可能な限り努めるのが優先だ」とした。