黒海穀物船に攻撃、ルーマニア領海付近 ウクライナがロシア非難
ウクライナは12日、ロシアがルーマニアの黒海領海付近で民間の穀物運搬船をミサイルで攻撃したと明らかにした。同日撮影(2024年 ロイター/Ukrainian Presidential Press Service/Handout via REUTERS)
Pavel Polityuk Yuliia Dysa Tom Balmforth
[キーウ 12日 ロイター] - ウクライナは12日、ロシアがルーマニアの黒海領海付近で民間の穀物運搬船をミサイルで攻撃したと非難した。ルーマニアは北大西洋条約機構(NATO)加盟国。ロシアとNATOとの緊張が高まる恐れがある。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナ産の穀物を積載しエジプトに向かっていた運搬船が、ウクライナ領海を出た直後にロシアのミサイル攻撃を受けたと述べた。死傷者はいないという。
ゼレンスキー氏はXへの投稿で、食料安全保障が標的にされることはあってはならないと指摘。シビハ外相も、航行の自由と世界の食料安全保障に対するあからさまな攻撃だと非難した。
米国のブリンク駐ウクライナ大使も、攻撃の責任はロシアにあると強く非難。明白な国際法違反で、世界の食料安全保障を脅かすと指摘した。
国連のデュジャリック報道官も、攻撃は黒海で民間船舶が依然として脅威に直面していることを改めて認識させるものだとし、民間船舶や港湾インフラへの攻撃は「国際法で禁止されており、止めなければならない」と述べた。
ウクライナ海軍は、ロシアの戦略爆撃機「ツポレフ22」が穀物運搬船に向け数発の巡航ミサイルを発射したとしている。
業界関係筋はロイターに対し、穀物運搬船はドナウ川の河口からそれほど離れていない海域で攻撃を受けたと語った。
ウクライナ海軍報道官は攻撃を受けた際、この穀物運搬船はルーマニアの海洋経済水域内に入っていたとしているが、ルーマニア海軍当局はこれを否定している。
2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻開始以来、航行中の民間穀物運搬船にミサイルが命中するのは今回が初めて。
この攻撃について、ロシアは今のところコメントしていない。
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