米国務・国防長官がアジア歴訪、支援継続強調へ 日本と2プラス2も

ブリンケン米国務長官(写真)は今週のアジア歴訪で、同盟国やパートナー国に対し、アジア地域に対する米政府の超党派の支援が「変わることなく一貫している」ことを改めて強調する見込み。1月撮影(2024年 ロイター/Evelyn Hockstein/File Photo)
Simon Lewis David Brunnstrom Daphne Psaledakis
[ワシントン/東京/マニラ 22日 ロイター] - 米国務省高官は22日、ブリンケン国務長官とオースティン国防長官が今週アジアを歴訪すると発表した。11月の米大統領選を巡り米外交政策に不透明感が生じる中、同盟国やパートナー国に超党派の支援継続を強調する見通しだ。
クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)は記者会見で、ブリンケン氏が26─27日にラオスで開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議に合わせて中国の王毅外相と会談すると明らかにした。
ブリンケン、オースティン両氏は28日に日本と、30日にフィリピンと外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を行う。ブリンケン氏はシンガポールとモンゴルも訪問するほか、ベトナムも訪れ、先週死去したベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長の葬儀に参列するという。
クリテンブリンク氏はバイデン米大統領の選挙戦撤退や米政策への影響の可能性についてブリンケン氏が同盟国に伝えるメッセージを問われると、米国は「インド太平洋に全面関与」しているということだと強調。
インド太平洋地域を巡る米政権の方針に対する超党派の支持などに言及し、「米国の関与には変わることなく一貫した基盤があると同盟国やパートナー国に再確認する」と述べた。
ASEANの会議にはロシアのラブロフ外相も出席するとみられている。クリテンブリンク氏によると、北朝鮮当局者も参加する可能性が高い。
<2プラス2>
東京で開く日本との2プラス2では、4月の日米首脳会談での合意事項の実施が焦点となる。同首脳会談では米軍と自衛隊の連携強化や防衛装備品の共同開発促進などの計画を発表した。
クリテンブリンク氏は「指揮・統制」が議論される見込みとし、「われわれの役割、任務、能力や、課題に対応する同盟の態勢について議論されるだろう」と述べた。
また、今回の2プラス2では「拡大抑止」について初めて協議する。拡大抑止は、同盟国への攻撃を抑止するために核兵器を含む戦力を使用することへの米国の決意を示す用語。
これまで実務者レベルでは協議してきたが、高官レベルでの議論に進める。
クリテンブリンク氏は「この地域で前例のない脅威が増大する中、米国と日本は責任ある方法で立ち上がり、日本の防衛だけでなく地域の安全保障への貢献も確保していくことを示す」と述べた。
ブリンケン氏は上川陽子外相と2者会談も行う。
また、オースティン氏は日韓防衛相と3者会談を開催する。