ニュース速報
ワールド

インド中銀、自然利子率の推計値が上昇 金融緩和余地狭まる恐れ

2024年07月19日(金)10時07分

インド準備銀行(RBI、中央銀行)は18日、同国の自然利子率の推計値が新型コロナウイルスのパンデミック以降上昇したと発表した。写真は2023年4月、ムンバイで撮影(2024年 ロイター/Francis Mascarenhas)

Swati Bhat

[ムンバイ 18日 ロイター] - インド準備銀行(RBI、中央銀行)は18日、同国の自然利子率の推計値が新型コロナウイルスのパンデミック以降上昇したと発表した。自然利子率は今後も上昇する見通しだ。潜在成長率の上昇が自然利子率を押し上げた。

アナリストの間では、自然利子率の上昇により中銀の金融緩和余地が狭まる恐れがあるとの見方が出ている。

RBIは2023/24年度第4・四半期(24年1─3月)の自然利子率を1.4─1.9%と推計。21/22年度第3・四半期には自然利子率は0.8─1.0%とみられていた。

インドのインフレ率は現在、5.1%で推移、RBIの政策金利は6.5%であるため、実質金利は1.4%となる。RBIは今年度の平均インフレ率を4.5%と予想しており、これに基づけば、実質金利は2%に上昇する可能性がある。

IDFCファースト・バンクのチーフエコノミスト、ガウラ・セン・グプタ氏は、自然利子率が中銀の推計範囲の下限であれば、今年度に50ベーシスポイント(bp)の利下げ余地があるが、推計範囲の上限であれば、利下げ余地はないと指摘。「われわれは今年10─12月に始まると見込まれる金融緩和サイクルが小幅な利下げにとどまるとの予想を維持している」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米関税で景気鈍化とインフレ進行も=JPモルガンCE

ビジネス

欧州株の年末予想を再度引き下げ、「予測意味ない」=

ビジネス

インド政府、輸入車関税の段階下げに前向き 対EU交

ビジネス

台湾中銀、為替安定に必要なら介入へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ使い回しをやめるまで
  • 4
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 5
    フジテレビが中居正広に対し損害賠償を請求すべき理由
  • 6
    ユン韓国大統領がついに罷免、勝利したのは誰なのか?
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 9
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 10
    4分の3が未知の「海の底」には何がある? NASAと仏…
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 8
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 9
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 10
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中