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英与野党党首が総選挙前最後の討論会で論戦、勝負は「引き分け」

2024年06月27日(木)08時49分

英国で来週の総選挙を前に、与党保守党を率いるスナク首相(右)と野党労働党のスターマー党首が最後のテレビ討論会を行い、互いに個人攻撃や党の信頼性への疑問をぶつけ合う激しい論戦を展開した。代表撮影(2024年 ロイター)

Kylie MacLellan

[ロンドン 26日 ロイター] - 英国で来週の総選挙を前に、与党保守党を率いるスナク首相と野党労働党のスターマー党首が最後のテレビ討論会を行い、互いに個人攻撃や党の信頼性への疑問をぶつけ合う激しい論戦を展開した。

足元の世論調査では、労働党の支持率が保守党を約20ポイントも上回っており、14年ぶりに保守党から労働党への政権交代が実現しそうだ。

劣勢に立つスナク氏は、移民や税制、女性の権利などを巡ってスターマー氏がはっきりとした態度を示していないと批判。有権者に対して労働党に政権を委ねないでほしいと訴えた。

有権者の関心が高い移民問題でスナク氏は、移民を本国に戻すというスターマー氏の方針を否定し、移民の多くがイランやシリア、アフガニスタンからやって来ている点を挙げて、これらの国の指導者と話し合いで解決しようとするなどあり得ないと切り捨てた。

一方スターマー氏は、スナク氏が裕福過ぎてごく普通の国民の心配事など理解できないと反撃。14年におよぶ保守党政権下で英国は疲弊しており、物価高騰や生活費増大で苦しむ多くの家庭が直面するさまざまな問題については、自分の方が良く把握していると強調した。

ユーガブの調査によると、最後の討論会における両氏の勝負は「引き分け」との判断が示された。

スナク氏は選挙戦開始のタイミングがノルマンディー上陸作戦の記念日で、式典に参加しなかったことで風当たりが強まったほか、与党候補者などのスキャンダルにも見舞われている。

ただスターマー氏についても、演説では原稿を機械的に読んでいるだけで、公共サービス拡充に必要な財源捻出方法についても十分な根拠を提供していないなどと有権者から厳しい声が聞かれる。

討論会ではある聴衆が「あなた方は本当にこの偉大な国で次の首相候補として最良なのでしょうか」との質問を浴びせ、大きな拍手を受ける場面もあった。

ロイター
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