ニュース速報
ワールド

香港不動産市場に中国本土の買い手戻る、印紙税廃止で購入加速

2024年03月21日(木)14時32分

 3月19日、香港の不動産市場に、新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに3年余り鳴りを潜めていた中国本土からの買い手が戻ってきている。香港で先月27日撮影(2024年 ロイター/Tyrone Siu)

Clare Jim

[香港 19日 ロイター] - 香港の不動産市場に、新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに3年余り鳴りを潜めていた中国本土からの買い手が戻ってきている。香港政府が非居住者の不動産取引に対する特別印紙税の廃止を発表した後、購入の勢いが強まっているという。

不動産仲介のミッドランド・リアルティー(美聯物業)によると、昨年第4・四半期時点で新規物件の買い手における本土勢の比率は17%に高まっていたが、現在は30%前後に達している。

中国本土の不動産市場が経済の先行き不透明感や債務問題で苦境が続いているのとは対照的な動きだ。

2月末に香港政府は、2軒目以降の物件購入時や、購入後2年以内の売却時などにかかる追加的な印紙税を全て撤廃。これによって非居住者の税率は、香港市民と同じ4.25%程度に引き下げられた。

香港の不動産価格が2021年にピークを付けた後、住宅ローン金利上昇や優秀な人材の流出、市況悪化見通しなどを背景に急落に転じた中で、こうした措置が打ち出された。

ただ物件の取引が増えても、不動産会社が在庫処分のため値引き販売をしていることから、価格は抑え込まれ続けている。

S&Pグローバル・レーティングスは取引自体についても、金利の高止まりを理由に今年は昨年から小幅の改善にとどまると予想した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

エクイノール、NY州沖風力発電施設の建設中止 米政

ワールド

中国主席がカンボジア入り、歴訪最後も「保護主義」反

ワールド

中国、米に相互尊重を要求 貿易交渉の開始巡り膠着続

ビジネス

日産取締役、ルノーとの兼任ゼロに スナール会長ら退
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気ではない」
  • 3
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「話者の多い言語」は?
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 7
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 10
    関税を擁護していたくせに...トランプの太鼓持ち・米…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 4
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 8
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 9
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 10
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中