フィリピン、南シナ海問題で中国提案検討せず 国益に反する内容
3月12日、フィリピン外務省は、海洋問題に関して中国から幾つかの提案を受け取ったが、国益に反するため検討できないと表明した。写真は南シナ海のスカボロー礁の衛星写真。提供写真(2024 ロイター/Maxar Technologies)
[マニラ 12日 ロイター] - フィリピン外務省は12日、海洋問題に関して中国から幾つかの提案を受け取ったが、国益に反するため検討できないと表明した。
南シナ海のセカンド・トーマス礁(フィリピン名・アユンギン礁、中国名・仁愛礁)に関して中国の支配・管理の容認と見なされる行動が含まれているとし、検討すれば憲法や国際法に違反することになると指摘した。
フィリピンの英字紙「マニラ・タイムズ」は中国政府高官の話として、南シナ海で両国が領有権を争う海域の情勢正常化に向けた中国側の提案にフィリピン政府が何の対応も取らなかったと報じていた。
フィリピン外務省は、中国との非公開の交渉に「最大限の誠意」を持って臨んでいると強調。中国側が2国間協議の機密事項を公表したことに「驚いている」とした。
同紙によると、中国側はセカンド・トーマス礁やスカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺の漁業といった問題を管理する方法について案を示した。
フィリピン外務省は、中国側の提案を「決して無視はしていない」とコメントし、報道を否定した。