バイデン政権、中ロへの個人データ移転制限へ 大統領令発表
バイデン米政権は28日、米国人の個人情報を保護するため、中国やロシアなどへのデータ移転を制限する大統領令を発表した。バイデン大統領、27日撮影。(2024年 ロイター/Leah Millis/File Photo)
Alexandra Alper Kanishka Singh
[ワシントン 28日 ロイター] - バイデン米政権は28日、米国人の個人情報を保護するため、中国やロシアなどへのデータ移転を制限する大統領令を発表した。国家安全保障上の懸念に対応する。
データブローカーなどが個人の位置情報、生体情報、健康情報、財務情報などを「懸念国」に大量に移転することを制限する。
政府職員のデータについては懸念国へのデータ移転を一切禁止する。中国、ロシアのほか、イラン、北朝鮮、キューバ、ベネズエラなどが対象。
政府当局者は「中国とロシアはデータブローカーから米国の機密個人データを購入し、悪意のあるサイバー活動、スパイ活動、脅迫などさまざまな悪質な活動に利用している」と指摘。「データブローカーを通じたデータの購入は現在、米国では合法だ。これは国家安全保障の手段に抜け穴があることを示している」とし、こうした抜け穴をふさぐことが狙いだと説明した。
米国は貿易やテクノロジーを巡り長年対立する中国へのデータ流出を防ぎたい考え。
経済活動への悪影響を回避するため、企業の給与計算やコンプライアンスなどに関する一部のデータは対象外とする。クラウドサービス、雇用、投資契約など一部の取引も、暗号化や匿名化などのセキュリティー要件を満たせば許可する。
大統領令は司法省が意見公募を行った上で発効する。