韓国、研修医ストが拡大 治療に支障と当局危機感

2月21日、韓国で大規模病院で働く研修医らによるストライキが拡大している。写真は釜山にある病院で撮影(2024年 ロイター/Kim Hong-Ji)
Ju-min Park
[ソウル 21日 ロイター] - 韓国で21日、大規模病院で働く研修医らによるストライキが拡大している。政府による医学部の増員計画に抗議するストは今週から始まっており、保健当局は患者の治療が遅れるなど支障が出ているとしている。
政府は、地方の医療を強化し、急速な高齢化を受けて増加する医療需要に対応するため、医学部の定員(現在3000人)を2025年度から5000人に増やし、35年度までにさらに1万人増やす計画だ。
一方、ストに参加している医師や研修医は、国内の医師数は十分だと主張。当局は学生を増員する前に、特に小児科や救急医療といった厳しい分野の専門医の給与や労働条件をまず改善するべきとしている。
保健福祉省の朴敏守次官は、患者を優先するようスト参加者に訴え、「医療従事者の基本的な使命は人々の健康と生命を守ることであり、それを脅かすような行動は正当化できない」などと記者団に語った。
保健省によると、これまで計7813人の医師が政府命令に反して職場を離れた。現地報道によると、救急治療室の多くが過密状態になり、ソウルの5つの主要病院で手術の3分の1から半分が中止された。