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ロシア、北朝鮮のミサイルでウクライナ攻撃 安保理に米政府報告へ

2024年01月05日(金)14時26分

米ホワイトハウスは4日、北朝鮮がこのほどロシアに弾道ミサイルと発射装置を提供したと明らかにした。新たに機密解除された情報に基づくもので、提供された弾道ミサイルと発射装置はウクライナに対する攻撃に投入されるとしている。写真は2023年9月、ロシア極東アムール州で撮影 (2024年 ロイター/Sputnik/Artem Geodakyan/Pool via REUTERS)

Jeff Mason Josh Smith

[ワシントン/ソウル 5日 ロイター] - 米ホワイトハウスは4日、北朝鮮がこのほどロシアに弾道ミサイルと発射装置を提供したと明らかにした。新たに機密解除された情報に基づくもので、提供された弾道ミサイルは最近、ウクライナに対する攻撃に使用されたとしている。

ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は記者団に対し、米国はこうした事態を国連安全保障理事会に報告すると表明。北朝鮮によるロシアに対する兵器提供は「重大、かつ懸念すべきエスカレーション」だとし、関与した者に追加制裁を科す意向を示した。

ロシアと北朝鮮は共に兵器取引を否定しているが、昨年に軍事関係を深化させると表明した。

ミサイル使用を受けて英国と韓国も非難した。韓国は昨年11月、北朝鮮が対戦車ミサイルや対空ミサイル、大砲や迫撃砲弾、小銃なども含む大規模な兵器取引の一環として、ロシアに短距離弾道ミサイル(SRBM)を提供した可能性があるとしていた。

カービー氏は、12月30日にロシア軍が少なくとも1発の北朝鮮製弾道ミサイルをウクライナに発射したと指摘。1月2日には、より大規模な空爆の一環として北朝鮮のミサイルを「複数」発射したと述べた。米国はこれらのミサイルの影響を評価しているところだという。

ホワイトハウスは、北朝鮮がロシアに供給したミサイルの具体的な種類について明言していないが、カービー氏はミサイルの射程が約900キロだとし、KN─23とKN─25とみられるミサイルの画像を公開した。

米カーネギー国際平和財団のアンキット・パンダ氏は、これらのミサイルは2019年に実験が開始された新しい固体燃料式SRBMだと指摘。「これらのミサイルが戦闘で使用されたのが分かるのは初めてだ」と語った。

オランダの研究者で北朝鮮の軍事専門家であるヨースト・オリエマンス氏は、ウクライナのソーシャルメディアに掲載された画像にKN─23やKN─25を含む北朝鮮のミサイル「火星11」に特徴的な部品がはっきり写っていると述べた。

カービー氏はイランについては、ロシアに近距離弾道ミサイルを提供していないと指摘。ただ、ロシアはイランからミサイルシステムを購入しようとしていると米政府は考えていると述べた。

ロイター
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