気候変動に脆弱な国、保険で損害補償を 富裕国の基金活用=研究

富裕国が気候変動に最も脆弱な100カ国に1カ国当たり1000万ドルを拠出することで、年間計250億ドルの損害を補償できるとする研究報告が21日公表された。資料写真、1月、UAEアブダビ(2023年 ロイター/Rula Rouhana)
Kate Abnett Simon Jessop
[ブリュッセル/ロンドン 21日 ロイター] - 富裕国が気候変動に最も脆弱な100カ国に1カ国当たり1000万ドルを拠出することで、年間計250億ドルの損害を補償できるとする研究報告が21日公表された。
来週開幕する第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)では、気候変動の損害に対処するための世界初の基金が創設される見通し。
ケンブリッジ大学サステナビリティー・リーダーシップ研究所の研究者は、気候災害に見舞われた国をコスト増大から守るために基金をどう活用すべきかを巡り画期的な前進があったとした。
気候変動がもたらすリスクのモデルに基づき、最も脆弱な国でも再保険会社などによって2050年まで保険を受けられることが確認できたとした。
さらに、保険のようなリスク分担システムがドナー(援助)国の拠出金を活用し、脆弱な国に提供できる補償を大幅に拡大できることを示した。
ドナー国が被援助国1カ国当たり1000万ドル拠出した資金を保険料支援に使えば、1カ国当たり年間2億─3億ドルの補償額を事前に設定でき、100カ国に展開すれば計250億ドルになるという。
研究者は極端な気候災害によって発展途上の小規模島しょ国は国内総生産(GDP)の50─300%に相当する損失に直面すると指摘した。