英シェルが低炭素部門の人員削減、水素燃料事業を縮小へ
10月25日、英石油大手シェルは、輸送・工業セクターの脱炭素化を目指す「低炭素ソリューション(LCS)」部門の人員を少なくとも15%削減するとともに、水素燃料事業を縮小すると発表した。写真は同社の水素電解プラント。ドイツのヴェッセリングで2021年7月撮影(2023年 ロイター/Thilo Schmuelgen)
Ron Bousso
[ロンドン 25日 ロイター] - 英石油大手シェルは25日、輸送・工業セクターの脱炭素化を目指す「低炭素ソリューション(LCS)」部門の人員を少なくとも15%削減するとともに、水素燃料事業を縮小すると発表した。1月に就任したワエル・サワン最高経営責任者(CEO)が進める収益向上のための改革の一環。
ロイターの問い合わせに対する同社の回答では、約1300人体制のLCSで、来年200人を削減する予定。これとは別に130人の配置換えを検討している。一部は他部門に統合する見通しだ。
今回の改革の重点は水素事業。水素燃料電池で動く乗用車の技術を開発している事業を大幅に縮小し、大型車・重工業部門に集中する。
シェルは早くから水素燃料電池車を推進してきた企業の1つだが、消費者の間で電気自動車(EV)の方が普及したため、近年は世界中で数多くの水素補給ステーションを閉鎖している。
サワン氏は前任者の方針を転換し、利ざやの大きいプロジェクトに集中するとともに、石油生産を維持し、天然ガス生産を拡大する改革を打ち出した。