ニュース速報
ビジネス

米Wファーゴ、第1四半期はコスト削減奏功 関税受け成長鈍化を警告

2025年04月12日(土)00時47分

米大手銀行ウェルズ・ファーゴが11日発表した2025年第1・四半期決算は、コスト削減と貸倒引当金の減少により利益が市場予想を上回った。ただ、チャーリー・シャーフ最高経営責任者(CEO)は米国の関税が経済成長を鈍化させるリスクがあると警告した。(2025年 ロイター/Stephanie Keith)

Arasu Kannagi Basil Saeed Azhar

[11日 ロイター] - 米大手銀行ウェルズ・ファーゴが11日発表した2025年第1・四半期決算は、コスト削減と貸倒引当金の減少により利益が市場予想を上回った。ただ、チャーリー・シャーフ最高経営責任者(CEO)は米国の関税が経済成長を鈍化させるリスクがあると警告した。

調整後ベースの1株当たり利益は1.33ドルで、LSEGがまとめた予想の1.24ドルを上回った。

一方、貸し出しの利息収入と預金者に支払う利息の差である純金利収入(NII)は前年同期比6%減の115億ドルと、予想の118億4000万ドルを下回った。経営陣は以前、25年前半の金利収入は比較的安定し、後半にはより多くの成長が見込まれると述べていた。

シティグループのアナリストによると、純金利収入の低下は予想を下回る貸出成長と商業ローンの利回りによるものだという。

それでもウェルズ・ファーゴは25年の年間NIIが1%─3%増加するという従来の予測を再確認した。

パイパー・サンドラーのアナリストは、年初の純金利収入が振るわないことは予測に到達するためにより大きな課題があることを意味し、達成への道筋には詳細な説明が必要だと指摘した。

費用は3%減の138億9000万ドルとなり、140億6000万ドルの予想を下回った。同行は幅広いコスト削減の一環として人員削減を続ける一方、効率性向上のための技術投資も行っている。

投資銀行手数料は債券資本市場での活動増加により、前年同期比24%増の7億7500万ドルとなった。

トランプ大統領の二転三転する関税発表を受けて、米国経済を不況に陥れかねないインフレに対する懸念が高まり、楽観的な見方が崩れている。

シャーフCEOは「米国にとって公正な貿易を阻む障壁を検討するという政権の姿勢を支持するが、こうした重大な行動には確かにリスクが伴う。変動性と不確実性が続くと予想しており、25年には経済環境が減速すると覚悟しているが、実際の結果は政策変更の結果とタイミングに依存するだろう」とした。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

国内超長期債の増加幅は100億円程度、金利上昇で抑

ワールド

ウクライナ、中国企業3社を制裁リストに追加

ワールド

トランプ米大統領の優先事項「はっきりしてきた」=赤

ワールド

イスラエル、ガザで40カ所空爆 少なくとも30人死
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 6
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 7
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 8
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 9
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 10
    トランプに弱腰の民主党で、怒れる若手が仕掛ける現…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 6
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中