米財務省、銀行規制でより大きな役割担う=ベッセント長官

ベッセント米財務長官は9日、米銀行協会(ABA)の会合で講演し、財務省は銀行規制におけるコストと効果の適切なバランスを取るともに、米経済の成長に必要な資金を銀行が確実に提供できるようにするため、銀行規制で一段と大きな役割を担うと表明した。写真はワシントンで撮影(2025年 ロイター/Kevin Mohatt)
[ワシントン 9日 ロイター] - ベッセント米財務長官は9日、米銀行協会(ABA)の会合で講演し、財務省は銀行規制におけるコストと効果の適切なバランスを取るともに、米経済の成長に必要な資金を銀行が確実に提供できるようにするため、銀行規制で一段と大きな役割を担うと表明した。
ベッセント氏は、銀行規制で銀行の負担を軽減する上で「常識的な原則」が必要だと主張。特に、大手銀行向けに策定された規制の順守を求められているコミュニティバンクに配慮しなければならないと付け加えた。
財務省は銀行規制の策定への取り組みを強化する際には、金融安定監督評議会(FSOC)や大統領の資本市場作業部会などを活用すると説明した。
さらに、これまで銀行規制当局は日常生活のあらゆる面で大きな権限を行使してきたが、米国民に対する適切な説明責任が伴っていなかったと言及。特に規制は、一般市民や議員による精査を受けずに水面下で行われてきたと非難した。
ベッセント氏は銀行規制や資本要件について具体的な提案には踏み込まなかったが、トランプ政権は大手銀行向けの資本バッファー要件が法令に沿った内容となるよう見届けるとした。
一方、国際的な銀行資本規則「バーゼル3」の最終化実施規則に関する個人的な見解として、米国の規制を最新化する上で適切な出発点にはならないと指摘。「われわれには異なる対応が必要だ。米国は自国の決定を国際機関に委ねるべきではない」と述べ、自国の利益にかなう分析を行うべきだと訴えた。