ECB、金融の安定を確保する用意=仏中銀総裁

4月9日、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるビルロワドガロー仏中銀総裁は、米国の関税を受けて市場が混乱する中、ユーロ圏経済の健全な資金調達と金融の安定を確保する用意があると表明した。パリで撮影(2025年 ロイター/Abdul Saboor)
[パリ 9日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるビルロワドガロー仏中銀総裁は9日、米国の関税を受けて市場が混乱する中、ユーロ圏経済の健全な資金調達と金融の安定を確保する用意があると表明した。
マクロン仏大統領に宛てた年次書簡で明らかにした。
総裁は、フランスの銀行は強固だが、貿易摩擦に伴う経済の先行き不透明感が金融の安定に影響を及ぼしており、一部の金融機関の信用リスクが増す恐れがあると指摘。特にレバレッジを効かせたヘッジファンドは大きな流動性圧力に直面する可能性があると述べた。
「こうした状況で、経済が十分な資金を確保し、金融の安定を維持できるよう、フランス中銀とECBが総動員されている」と表明。「市場のストレス時を含め、金融システムの流動性が良好であることを確実にするため、監視を行っている」と述べた。
フランス中銀は、米国との貿易摩擦で今年のユーロ圏の成長率が0.25%ポイント押し下げられる可能性があると試算。フランスへの影響はユーロ圏全体よりも小さい見通し。
総裁は記者団に、トランプ米政権が先週、相互関税を発表したことを受けて不透明感が増しており、利下げの論拠が強まっているとし「われわれにはまだ利下げ余地がある」と述べた。