中国人民銀が各行にドル買い縮小要請、急激な元安認めず=関係筋
[9日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が主要な国有銀行にドル買いの縮小を要請したことが分かった。急激な人民元安を容認しない方針だという。複数の関係筋が9日に明らかにした。
米国の関税発動と中国の報復措置を受けて、元は大きな下押し圧力にさらされている。
人民銀は今週、複数の国有銀行への窓口指導で自己勘定でのドル購入を控えるよう求めたという。
また、関係筋の1人によると、大手行は顧客のためにドル買い注文を執行する際のチェックを強化するよう指示された。
別の関係筋2人によると、9日のオンショア・スポット市場では、元の下落ペースを緩めるため大手国有銀行が積極的にドルを売り、元を買っているもようだった。
人民銀の考えに詳しい政策アドバイザーはロイターに対し「急激な元安は市場の信認を損なう可能性があるため起こらないだろうが、緩やかな元安は輸出を助けるだろう」と指摘。「また、補助金や税還付などを通じて主要企業を支援すべきだ」と述べた。
オンショア元はロイターの一報後に約50ポイント上昇し、日中の下落幅が大きく縮小した。
人民銀からはコメントを得られていない。
OCBC銀行の為替・金利ストラテジスト、クリストファー・ウォン氏は「われわれは政策当局が元の安定性をある程度維持することを好みそうだと考えており、日々の基準値動向を引き続き注視したい」と述べた。