独連銀総裁、世界経済成長「大幅に悪化」 米関税が足かせに

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連邦銀行(中銀)総裁は8日、米国の関税措置は世界経済成長の大きな足かせになるとの認識を示した。写真は3月、フンボルト大学(ベルリン)で撮影(2025年 ロイター/Liesa Johannssen)
[フランクフルト 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのナーゲル独連邦銀行(中銀)総裁は8日、米国の関税措置は世界経済成長の大きな足かせになるとの認識を示した。また、ECBはユーロ圏の経済を支援する役割を果たす一方で、欧州各国の団結強化こそが解決策になるとの考えも示した。
ナーゲル総裁は電子メールによる声明で「世界経済の成長見通しは大幅に悪化している」と指摘。その上で「ECBの金融政策は必要な役割を果たすだろう。われわれはすでに今年のインフレ目標達成に向け順調に進んでいる」と述べた。
ECBは過去1年間ですでに6回の利下げを実施。成長の鈍化やエネルギーコストの低下、社債利回りの上昇といった要因などがインフレの一段の減速を示唆する中、多くのECB当局者は今月17日のECB理事会で追加利下げを実施すべきという見方を示している。
ナーゲル氏は「来週のECB理事会では入手可能なデータと情報に基づいて責任ある決定を下す」と言及するにとどめた。
また、関税による混乱を背景に、銀行・資本市場同盟などを通じて欧州がさらに結束を深める必要性が強まったと指摘。「最終的には、より緊密に団結した欧州が必要だ」との見方を示した。