トランプ関税、日本車も対象に GDP0.2%程度下押しか

トランプ米大統領が関税の導入を表明した自動車は、日本にとって最大の対米輸出品目で、政府は回避に向けて米側に働き掛けてきた。写真は、輸出を待つホンダ車。2017年5月、横浜で撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai)
Nobuhiro Kubo Daniel Leussink
[東京 27日 ロイター] - トランプ米大統領が関税の導入を表明した自動車は、日本にとって最大の対米輸出品目で、政府は回避に向けて米側に働き掛けてきた。乗用車の場合は現在の2.5%から27.5%へ関税が引き上がり、アナリストらは日本の国内総生産(GDP)を0.2%程度下押しすると試算する。
財務省の貿易統計によると、2024年の対米輸出は21兆2947億円。このうち自動車は28.3%の6兆0264億円で、最も割合が大きい。今回関税の対象とならなかった部品まで含めると、34.1%の7兆2574億円まで膨らむ。
自動車は全産業の1割を雇用する日本の基幹産業で、輸送用機器全体では国内総生産の約3%を占める。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、25%の追加関税で日本のGDPが0.2%程度低下すると試算する。木内氏は27日のリポートで「日本にとっては最も関税を掛けて欲しくない自動車が関税の対象となった」と指摘。「国内での生産、雇用の縮小を促し、空洞化を後押しすることになる」とした。
第一生命経済研究所の前田和馬、阿原健一郎の両主任エコノミストは3月21日のリポートで、輸出減少による直接的な影響としてGDPを0.2%、川下への波及効果まで含めると0.52%下押しすると試算した。
<適用除外を強く申し入れ>
石破茂首相は27日午前の参議院予算委員会で「適切な対応を考えていかねばならない」と発言。「何が日本の国益に資するかを考えなければいけない。どれが一番効果的か考えて、あらゆる選択肢を念頭に置いている」と語った。
林芳正官房長官は同日午前の会見で米国の措置は「極めて遺憾」としたうえで、「改めて米政府に対し、措置の対象から日本を除外するよう強く申し入れた」と述べた。
石破首相は2月にワシントンでトランプ大統領と会談した際、トヨタ自動車やいすゞ自動車など、日本企業による対米直投資や現地雇用の創出をアピールした。武藤容治経済産業相は3月中旬に訪米し、米通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表らと会談したが、日本を適用除外にするという言質は取れなかった。
日本自動車工業会によると、国内の年間生産台数は2023年に899万9000台だった。このうち輸出は442万3000台、米国向けは148万5641台だった。
トヨタは2024年に米国で約233万台を販売。現地で約127万台を生産し、約53万台を日本から輸出した。約92万台を販売した日産自動車は、現地で約52万台を生産し、北米市場向けに約19万台を日本から輸出した。マツダは約42万台を販売し、現地生産は約2割、約23万台を日本から輸出した。
日本メーカーの多くは対米輸出拠点としてメキシコにも工場を構える。トヨタは24年に約24万台、日産は約66万台を生産。マツダは米国で販売する自動車の約3割をメキシコで生産した。
ゴールドマン・サックス証券の湯沢康太アナリストらは27日のリポートで、26年3月期にトヨタの営業利益を3400億円押し下げると試算。ホンダは1200億円、日産とマツダはそれぞれ1100億円、SUBARUは900億円の営業減益要因になると予想した。各社とも関税の影響を相殺するため値上げをし、米国の販売台数が減少すると想定した。
27日午前の東京株式市場では、米国を主力市場とする自動車株が軒並み下落。トヨタ、ホンダ、日産は3%前後下げ、マツダとSUBARUは5─6%安で推移した。
(取材協力:石田仁志、杉山健太郎)
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