ニュース速報
ビジネス

国内ファンドのJAC、2年弱で2000億円超調達 元カーライル大塚氏が設立

2025年03月27日(木)16時54分

米カーライル・グループ出身の大塚博行氏が立ち上げた投資会社ジャパン・アクティベーション・キャピタル(JAC)は3月27日、2号ファンドを設立し、国内の機関投資家から約770億円の資金を調達したと発表した。写真は同社のロゴ。2024年11月、都内で撮影(2025年 ロイター/Miho Uranaka)

Miho Uranaka Anton Bridge

[東京 27日 ロイター] - 米カーライル・グループ出身の大塚博行氏が立ち上げた投資会社ジャパン・アクティベーション・キャピタル(JAC)は27日、2号ファンドを設立し、国内の機関投資家から約770億円の資金を調達したと発表した。1号ファンドと合わせ、JACは設立から2年弱で国内機関投資家から2000億円を超える資金を集めたことになる。

昨年4月に約1300億円を集めた1号ファンドから、2号ファンドは投資家層をさらに広げた。JACによると、産業革新投資機構(JIC)、海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)などの政府系ファンドのほか、福岡銀行、足利銀行など地方銀行や学校法人、三井住友海上火災保険、三菱UFJ銀行などが出資を決めたという。1号ファンドでは、メガバンクや大手証券、生命保険会社などが投資していた。

大塚氏はロイターとのインタビューで、対話を通じて「企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)を強くしていくことが重要」と話し、「日本市場が縮小傾向にある中、JACを通じた積極的な取り組みにより、企業が存在感を高めながら成長するのを支援したいという思いが出資につながった」と述べた。今後は海外投資家からも資金を集めたい考え。

2023年7月設立のJACは、上場する大手企業を対象に建設的な関係を構築し、持続的な成長を中長期で支援する。事前に同意を得た上で株式を取得し、出資金額は1件当たり数百億円程度を想定している。24年10月にはライオンとパートナーシップ契約を締結し、同社株を一部取得。ライオンの株価は取得直前に比べて最大で約17%上昇し、足元は13%程度高い水準で推移している。

大塚氏によると現在20社程度の企業と出資について対話しているという。「世代が変わり、ファンドと組むことで、自分たちの企業の成長ステージを上げていこうという考えを持つ積極的な経営陣が増えている」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

年内2回利下げが依然妥当、インフレ動向で自信は低下

ワールド

米国防長官「抑止を再構築」、中谷防衛相と会談 防衛

ビジネス

アラスカ州知事、アジア歴訪成果を政権に説明へ 天然

ビジネス

米連邦地裁、マスク氏の棄却請求退ける ツイッター株
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...スポーツ好きの48歳カメラマンが体験した尿酸値との格闘
  • 4
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 5
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 6
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 9
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 10
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中