ニュース速報
ビジネス

トランプ氏の輸入車関税、19年安保調査報告に依拠 当時は見送り

2025年03月27日(木)11時21分

 3月26日、トランプ米大統領が発表した輸入自動車に対する25%関税は、第1次政権時の2019年に実施した国家安全保障調査に依拠することが分かった。カリフォルニア州サンディエゴで撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)

By Andrea Shalal, David Lawder

[ワシントン 26日 ロイター] - トランプ米大統領が26日発表した自動車・自動車部品に対する25%関税は、輸入車が引き続き米国の産業基盤や国家安全保障を損なっているとの判断に基づいたものだ。トランプ氏の布告は、第1次政権時の2019年に国家安保調査で指摘されたこうした脅威が新型コロナウイルスの世界的大流行後にエスカレートしたとしている。

1962年通商拡大法232条に基づき商務省が2019年に完了した調査報告を受けても、当時のトランプ氏は25%の自動車関税をちらつかせたにとどまり、最終的に何ら措置を取らなかった。

今回の布告はこの報告を復活させた上で、韓国やカナダ、メキシコとの交渉や貿易協定は貿易バランスを十分にシフトさせておらず、外国の自動車産業は「不公平な補助金と積極的な産業政策」によって後押しされ、大きく成長したと指摘。「現在、米国で販売される自動車の約半分しか国内で製造されておらず、これは国内の産業基盤と国家安全保障を危うくする衰退だ」と訴えたほか、世界の自動車生産に占める米国のシェアは19年の報告以来停滞し続けており、同産業における米国の雇用も増加していないとした。

米商務省での勤務経験があり、現在は法律事務所キング・アンド・スポルディングに所属するライアン・マジェラス氏は、232条に基づいて完了した自動車調査報告は関税の根拠になると解説。それを活用することでトランプ氏のチームは関税を迅速に実施することができるという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

年内2回利下げが依然妥当、インフレ動向で自信は低下

ワールド

米国防長官「抑止を再構築」、中谷防衛相と会談 防衛

ビジネス

アラスカ州知事、アジア歴訪成果を政権に説明へ 天然

ビジネス

米連邦地裁、マスク氏の棄却請求退ける ツイッター株
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...スポーツ好きの48歳カメラマンが体験した尿酸値との格闘
  • 4
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 5
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 6
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 9
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 10
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中