米ミシガン大消費者信頼感、3月速報値大幅悪化 関税懸念で物価見通し急上昇

米ミシガン大学が14日発表した3月の消費者信頼感指数(速報値)は57.9と、前月の64.7から大幅に悪化した。2024年11月撮影(2025年 ロイター/Siddharth Cavale)
[ワシントン 14日 ロイター] - 米ミシガン大学が14日発表した3月の消費者信頼感指数(速報値)は57.9と、約2年半ぶりの低水準を付けた。トランプ米大統領の関税措置で貿易戦争が引き起こされ、物価上昇と経済の弱体化につながるとの懸念から、5年先の期待インフレ率は1993年以来の水準に上昇した。
3月の消費者信頼感指数は前月の64.7から大幅に悪化し、2022年11月以来の水準に低下。トランプ大統領が勝利した昨年11月の大統領選以降の上昇分は全て失われた。ロイターがまとめたエコノミスト予想は63.1だった。
1年先期待インフレ率は4.9%に上昇。5年先は3.9%と1993年2月以来の高水準となった。前月はそれぞれ4.3%、3.5%だった。
消費者信頼感指数と期待インフレ率の悪化は支持政党を問わず見られた。
FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は、貿易関税は経済にとって良いことだと米政権は主張しているが、「消費者は不安を感じており、今後さらに大幅な物価上昇が起こるとみている」とし、「トランプ第2次政権の政策は、米経済と米国の将来的な繁栄を阻害している」と述べた。
コメリカバンクのチーフエコノミスト、ビル・アダムス氏は「信頼感の低下は消費支出に対する現実的な脅威になりつつある」とし、「景気悪化を懸念する人は新車や住宅を購入せず、外食や旅行も控える」と指摘。
ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、ティム・クインラン氏は「新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)の際は、物価高は短期的なものとおおむね理解されていたが、現在は消費者が価格圧力を長期的なものとみていることが経済指標で明らかになりつつある」と述べた。