ハマス、米人質解放に同意 イスラエルは「心理戦」と一蹴

イスラエルは、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスが14日、ガザ地区で拘束され生存している米国とイスラエルの二重国籍者の解放に同意したことは「心理戦」だと一蹴し、ハマス側の合意を却下した。2024年12月撮影(2025年 ロイター/Stephani Spindel)
Nidal al-Mughrabi Nayera Abdallah
[カイロ/ドバイ 14日 ロイター] - イスラエルは、パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスが14日、ガザ地区で拘束され生存している米国とイスラエルの二重国籍者の解放に同意したことは「心理戦」だと一蹴し、ハマス側の合意を却下した。
ハマスはこれに先立ち、イスラエル軍のガザ完全撤収と恒久的な停戦につながる停戦合意の第2段階に向けた協議再開の提案を仲介者から受け、ガザ地区で拘束され生存している最後の米国人人質とみられる米国とイスラエルの二重国籍者の解放に同意したと発表していた。
イスラエル首相官邸は、イスラエルがトランプ米政権のウィットコフ中東担当特使の提案を受け入れたにもかかわらず、ハマスは拒否の姿勢を崩していないと指摘。その上で、ネタニヤフ首相は15日夜に閣僚を招集し、人質を巡る協議を行い、今後の対応を決定する予定だと述べた。
ハマス指導者らと米国のアダム・ボーラー人質担当特使がここ数日、米東部ニュージャージー州出身でイスラエル軍に兵士として加わったエダン・アレクサンダー氏(21)の解放を巡って協議していた。トランプ米政権のウィトコフ特使は今月、ホワイトハウスで記者団にアレクサンダー氏の解放は「最優先事項」だと述べていた。
ハマスは声明で、13日に示された交渉再開の提案に「前向き」に応じると発表。4人の二重国籍の人質の遺体も引き渡すとしたが、詳細は明らかにしていない。
ハマス当局者2人はロイターに、人質と遺体の引き渡しは、停戦の第2段階に向けた協議開始に加え、境界の検問所を開き、イスラエルが2週間前に課した全面封鎖を解除することが条件だと述べた。
ハマスの報道官アブデル・ラティフ・アル・カノア氏はロイターに「イスラエルが合意の全段階を完了するよう、仲介者と協力している」と述べた上で、人質の解放を容認したのは合意の段階を進めることを後押しするためだと説明した。
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