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トランプ氏、追加関税警告 EU・カナダが米に対抗措置

2025年03月13日(木)09時29分

 3月12日、トランプ米大統領は、欧州連合(EU)が米製品に対し報復関税を課せば、さらなる関税で対応する考えを示した。写真は、建設現場の作業員ら。3月11日、マイアミで撮影(2025年 ロイター/Giorgio Viera)

David Lawder Andrea Shalal Jarrett Renshaw

[ワシントン 12日 ロイター] - トランプ米大統領は12日、欧州連合(EU)が米製品に対し報復関税を課せば、さらなる関税で対応する考えを示した。

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は12日、米国が同日発動した鉄鋼・アルミニウム関税に対抗し、来月から260億ユーロ(280億ドル)相当の米国製品に関税を課すと表明した。

トランプ氏はEUがこの計画を実行に移せば、追加関税を課すと警告。ホワイトハウスで記者団に「彼らがわれわれに課すものは何でも、われわれも課す」と述べた。

カナダも米国の鉄鋼・アルミ関税への対抗措置として、米国から輸入する鉄鋼・アルミ製品のほか、コンピューターやスポーツ用品など総額200億ドル相当の製品に25%の報復関税を課すと発表した。カナダは米国にとって鉄鋼とアルミの最大の輸入元。

カナダのルブラン財務相は「わが国の象徴的な鉄鋼・アルミ産業が不当に標的にされるのを看過するつもりはない」と述べた。カナダ銀行(中央銀行)は主要政策金利を0.25%ポイント引き下げ、トランプ政権が打ち出す関税による経済への影響を踏まえ「新たな危機」に直面していると警告した。

カナダのカーニー次期首相は「カナダの主権を尊重し、共通のアプローチを目指すという立場で、適切な時期にトランプ大統領と協議する用意がある」と語った。

ラトニック米商務長官は米国の鉄鋼・アルミ関税について、国内生産が強化されるまで撤回されないとの見方を示した。また、トランプ大統領が貿易保護措置の一環として銅輸入にも関税を賦課する予定だと述べた。

<EUは影響限定的か>

ドイツのキール研究所によると、米関税の対象となるEU製品のうち米国に輸出されるのは「ごく一部」のため、EUのエクスポージャーは比較的小さい。EU側の対抗措置もボートやバーボンウイスキーなど280億ドル相当の米国製品が対象で、米・EUの通商関係に占める割合は小さい。それでも、米欧の酒造業界団体はEUの関税が業界にとって「壊滅的な結果」をもたらすとの見解を示した。

フォンデアライエン欧州委員長は「このような関税で経済に負担を強いることは共通の利益にならない」と述べ、米との交渉に前向きに応じる姿勢を示した。

<株価は反応薄、企業は懸念>

12日の鉄鋼・アルミ関税発動は事前に十分知らされていたことから、各国株式市場の反応は限定的だった。ただ、関税を巡るやり取りは企業の懸念を高めている。LSEGのデータによると、米主要1500社のうち900社以上が今年、決算説明会や投資家イベントで関税に言及した。

JPモルガンのチーフエコノミストは12日、米国が今年リセッション(景気後退)に陥る確率は40%程度との見方を示した。また、トランプ政権が米国の統治に対する信頼を損なえば、投資先としての米国の地位が永続的に損なわれるリスクがあると警告した。

ロイター
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