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午後3時のドルは148円前半へじり高、1週間ぶり高値 リスクオフ一服

2025年03月12日(水)15時42分

 3月12日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の148円前半で取引されている。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Shinji Kitamura

[東京 12日 ロイター] -

午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の148円前半で取引されている。リスク回避ムードが緩和して円が売られた前日海外安の流れを引き継ぎ、ドルは一時148.27円まで上昇し、今月6日以来、約1週間ぶり高値を付けた。

米国のカナダに対する追加関税の見送り、ウクライナ停戦への期待感などから円が弱含みとなった展開は東京市場でも変わらず、ドルは朝方の147円後半からじり高となった。

ドルは前日午前に146円半ばまで下落し、5カ月ぶり安値を更新していた。1日で1.7円変動する大きな値動きには「トランプ氏の発言一つで世界が大きく変わってしまい、市場の変動もかなり激しくなるので、売買のタイミングが非常に難しい」(外銀関係者)と、対応に苦慮する声が多く上がっていた。

日本時間きょう午後には、米国が日本を含む貿易相手国に対して25%の鉄鋼・アルミニウム関税を発効させた。直後にドルは小幅に上昇したが、事前に課税が確実視されていたこともあり、大きな反応には至らなかった。

バークレイズ証券は、米国が日本に10%の関税を賦課すると、ドル/円を8.5%押し上げる可能性があるとの試算をまとめている。

円が売られた一因として、投機筋の円買いポジションが過去最高水準へ積み上がって いた反動に関心を寄せる声もあった。

日銀の利上げ期待が円買い仕掛けの手掛かりとなっているが「年内で最大1回の利上げしか織り込んでいない債券市場と、為替市場とで期待の乖離が大きくなっている。為替市場の性急なポジション構築には危うさを覚える」(みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏)との指摘が聞かれた。

堅調地合いの続くユーロは、東京市場でも161円半ばと1カ月ぶり、対米ドルでも1.09ドル前半と5カ月ぶり高値圏で底堅い動きが続いた。ドイツの環境政党、緑の党が防衛予算増額に交渉の用意があるとの考えを示したとの報道が話題となった。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 148.05/148.06 1.0903/1.0904 161.41/161.47

午前9時現在 148.04/148.05 1.0913/1.0916 161.58/161.59

NY午後5時 147.77/147.79 1.0918/1.0920 161.34/161.38

ロイター
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