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午前の日経平均は小反発、買い戻し優勢 一巡後は様子見

2025年03月12日(水)11時59分

 3月12日、午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比105円72銭高の3万6898円83銭と、小反発した。写真は都内で2020年10月撮影(2025 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Hiroko Hamada

[東京 12日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比105円72銭高の3万6898円83銭と、小反発した。前日の下落の反動で値ごろ感から買い戻しが優勢となったが、様子見ムードは強く、戻りは限定的だった。今晩の米消費者物価指数(CPI)公表を控えて手掛けにくさも意識された。

日経平均は前営業日比30円安と小幅安でスタートした後、一時134円安となる場面があった。ただ、売りは続かず、序盤に163円高の3万6956円33銭まで上昇。為替の円安などが支えとなった。その後は、小幅高の水準でもみ合いが続いた。

物色動向としては、国内金利の上昇基調を背景に銀行株や保険株が堅調だった。主要企業の春闘の回答が相次ぐ中で日銀の利上げ観測が高まりやすく、金融株への物色がみられたとの指摘があった。

市場では「値ごろ感や旺盛な企業の自社株買いを支えに日経平均は底堅い動きとなっている」(東海東京インテリジェンス・ラボのシニアアナリスト・澤田遼太郎氏)との指摘が聞かれた。前日の東京市場では日経平均が一時1000円超値下がりしたものの、その後は水準を戻した。

ただ、指数寄与度の大きいハイテク株がさえず、指数としては上値を追いづらく、日経平均は横ばい圏での推移が続くのではないか、という。

日銀の植田和男総裁は衆院財務金融委員会で、長期金利は「市場で自由に形成されることが基本だ」と改めて話し、昨年来の上昇傾向は市場における経済・物価情勢の見方や海外金利の変化などを反映したものとの認識を示したが、株式相場の反応は限定的だった。

TOPIXは0.94%高の2695.86ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆1260億4700万円だった。東証33業種では、銀行、保険、非鉄金属など26業種が値上がり。海運、パルプ・紙、空運など7業種は値下がりした。

個別では、一部証券会社が投資判断を引き上げた楽天銀行が6%超高と大幅上昇した。ソニーグループ、日立製作所なども上昇。前日に経営体制の刷新を発表した日産自動車は小幅高だった。

銀行株ではコンコルディア・フィナンシャルグループが6%高、りそなホールディングスが3%超高、みずほフィナンシャルグループが2%超高だった。

半導体関連はまちまちで東京エレクトロンが小幅高、アドバンテストが2%超安、レーザーテックが4%超安。ルネサスエレクトロニクスは2%超高だった。

プライム市場の騰落数は、値上がり1043銘柄(63%)に対し、値下がりが526銘柄(32%)、変わらずが69銘柄(4%)だった。

ロイター
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