ENEOS傘下のJX金属、公開価格は820円 今年度最大の売り出し

3月10日、ENEOSホールディングス完全子会社のJX金属は、新規株式公開(IPO)に伴う売り出し価格を1株当たり820円にしたと発表した。写真はENEOSとJX金属のロゴ。2017年2月、横浜市内で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Miho Uranaka
[東京 10日 ロイター] - ENEOSホールディングス完全子会社のJX金属は10日、新規株式公開(IPO)に伴う売り出し価格を1株当たり820円にしたと発表した。仮条件810―820円の上限で決まった。
オーバーアロットメント(OA)による追加売り出し分を含めた売り出し総額4380億円は、昨年上場した東京地下鉄(東京メトロ)を抜いて今年度最大となる。
時価総額は7610億円。19日に東証プライム市場に上場する。
ENEOSによると、追加売却分を含めた売出しによる手取り額を今年度の連結決算で最大約4200億円と見込んでいるという。ENEOSの所有割合は42.4%まで低下する見通しで、JX金属は持分法適用会社となる。今後連結財務諸表へ与える影響は判明次第公表する。
ENEOSは、JX金属の上場により、事業戦略の遂行や事業ポートフォリオ転換に必要となる投資と株主還元の実行を可能とすると説明している。
JX金属は、半導体製造時に金属薄膜を形成するための材料である「スパッタリングターゲット」の大手メーカー。半導体・情報通信材料を成長戦略分野に位置づけ、米アリゾナ州で新工場に投資している。株式上場を通じた経営体制の確立と資本構成の実現により「競争力の高い半導体材料・情報通信材料等の分野における設備投資、R&D等を加速させる」とコメントした。