預金準備は潤沢、QT継続の余地ある=NY連銀幹部

米ニューヨーク連銀で金融政策の執行を担うロベルト・ペルリ氏は3月5日、ニューヨーク大学で開かれた会合で、米連邦準備理事会(FRB)はバランスシートの縮小(量的引き締め=QT)をさらに進める余地があるとの見解を示した。ワシントンのFRB本部で2022年6月撮影(2025年 ロイター/Sarah Silbiger)
Michael S. Derby
[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のロベルト・ペルリ氏は5日、ニューヨーク大学で開かれた会合で、米連邦準備理事会(FRB)はバランスシートの縮小(量的引き締め=QT)をさらに進める余地があるとの見解を示した。一方で、短期的には連邦政府の財政運営上の問題がQTを実行する上での課題になると予想した。
ペルリ氏はFRBの資産ポートフォリオである「システム・オープン・マーケット・アカウント(SOMA)」の運営を司っている。同氏は、市場の指標を見る限り「準備預金はここしばらくの状況と同様、現在も潤沢だ」と述べた。
QTを巡ってFRBは、終了時期の見極めが難しいことに加え、政府の資金ニーズと債務上限の問題が解決されていないという課題を抱えている。財務省がこの問題に対応する際に短期金融市場は不安定化する可能性が高いため、FRB幹部らは状況が見通しやすくなるまでQTのペースを減速、もしくは終了することを検討中だ。
ペルリ氏の発言は、他の条件が同じであれば、QTを直ちに終了する必要がないことを示唆している。
ただ「債務上限の問題が根強く残る中でバランスシートの縮小が長引けば長引くほど、この問題が解決された際に準備預金が急減し、短期金融市場に相当なボラティリティーをもたらしかねないレベルに下がるリスクが高まる」とも述べた。
また、FRBが近い将来にバランスシート縮小を一時停止すると決めた場合でも、QTの最終目標は変わらないとし、そうした動きは短期市場の課題に対応するための「戦術的な決定」だと述べた。