想定ペースの利上げ、経済の反応確認し進めていける=内田日銀副総裁

3月5日、日銀の内田真一副総裁(写真)は、「想定される程度のペースの利上げであれば、経済の反応を確認しながら進めていけるだろう」と述べた。写真は都内で2023年2月撮影(2025 ロイター/Issei Kato)
Takahiko Wada
[静岡市 5日 ロイター] - 日銀の内田真一副総裁は5日、想定される程度のペースの利上げであれば、経済の反応を確認しながら進めていけると述べた。内田副総裁は景気・物価に対して引き締め的でも緩和的でもない「中立金利」について、そのベースとなる自然利子率の概念は「幅が広すぎて、実際の政策運営には使えない」と明言。実際に金利を上げていく過程で経済や物価の反応を点検しながら確認していくものだとした。
静岡県金融経済懇談会であいさつした。内田副総裁は、来年度後半から26年度中までの1年半の間に現実の物価と基調的な物価がともに2%程度になるとし、経済・物価見通しが実現していけば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく」と改めて述べた。
自然利子率について、日銀はこれまでマイナス1%―プラス0.5%との推計を示してきた。これに物価目標2%を足すと中立金利はプラス1%―プラス2.5%と計算できることで、市場では日銀が1%を超えて利上げを進めていくのではないかとの見方から、足元の金利上昇の一因となっている。
内田副総裁は「市場が日本銀行の政策運営の考え方を正確に理解した上で、これに独自の経済・物価予測を代入して金利等を形成することは、健全な市場の機能だ」と指摘。日銀が政策運営の「答え」だけを伝えることは「市場の貴重な情報創造機能を消してしまう恐れがある」とも述べた。
1月の利上げを後押しした米国経済については、インフレ率が2―3%程度まで縮小するなど「バランスの良い状態にある」と述べた。ただ、米国の新政権の政策や地政学的な緊張の帰すうやこれらを巡る予想は「米国に限らず各国の企業・家計のコンフィデンスや国際金融資本市場の動向などに影響する」と指摘。「世界経済についての不確実性は高く、引き続き十分注視していく」と述べた。
<国債買い入れ、考え方に変化なし>
内田副総裁は、短期政策金利の運営および国債買い入れについての考え方に変化はないと述べた。
昨年7月の国債買い入れ減額計画決定の際の基本方針を引用し、長期金利は「金融市場において自由に形成されることが基本」であり、「経済・物価情勢に対する市場の見方や海外金利の動向などを反映して、ある程度変動することを想定している」と述べた。その上で、長期金利が急激に上昇するといった「例外的な状況」となれば「安定的な金利形成を促す観点から、機動的に国債買い入れの増額、指し値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施する」と説明した。
<大規模緩和の出口、「工夫とバランスが必要」>
あいさつの後段では、過去四半世紀にわたる金融政策運営を検証した「多角的レビュー」について言及した。
異次元緩和の副作用として、低金利の持続がいわゆる「ゾンビ企業」を温存し、長期的な生産性を押し下げたとの見方に対しては、金融緩和による「ハイプレッシャー効果」により、就職氷河期世代の後の世代の就職環境が好転したプラスの方が大きく「むしろ生産性を高める方向に作用した」と反論した。財政規律を緩めたとの批判に対しては、もしそうした面があるのなら「政府が対応しなければならない」と話した。
内田副総裁は大規模緩和からの出口のプロセスは始まったばかりだとし、2022年12月に行った長期金利の許容変動幅の拡大と昨年3月の大規模緩和の終了を「大きな山だと思っていた難所」と表現した。「今後もオペレーション・コミュニケーションの両面で工夫とバランスが求められていくだろう」と述べた。
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