ニュース速報
ビジネス

地政学的緊張、資本フローの反転引き起こす可能性も=植田日銀総裁

2025年03月05日(水)11時28分

 3月5日、日銀の植田和男総裁(写真)は、地政学的緊張が国境を越えた資本フローの急激な反転を引き起こすなど、金融の安定に影響を及ぼす可能性があるとして、国際的な協力を呼びかけた。写真は都内で1月撮影(2025 ロイター/Issei Kato)

Makiko Yamazaki Leika Kihara

[東京 5日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は5日、地政学的緊張が国境を越えた資本フローの急激な反転を引き起こすなど、金融の安定に影響を及ぼす可能性があるとして、国際的な協力を呼びかけた。

植田総裁は都内で開かれた国際通貨基金(IMF)主催のセミナーで、アジア新興市場経済の強靭性が今後、地政学的緊張の高まりによって幾つかの形で試されることになると述べた。

各国間の地政学的緊張の高まりは国境を越えた資本フローの突然の反転を引き起こす可能性があるとし、その影響は先進国よりも新興国の方が大きくなる可能性があるとの見方を示した。

また、世界経済の分断で中銀間の金融政策スタンスの乖離が拡大し、それによって市場のボラティリティーが高まり、為替レートの動きに不安定な影響を及ぼす可能性があるとした。

さらに、世界の金融市場におけるノンバンクの存在感の高まりにより、資本フローの予測可能性が低下する可能性もあると指摘した。

その上で、地政学的緊張の激化がもたらし得るこうした影響を考慮すると、アジアの中央銀行とIMFは引き続き協力を深めていくべきだと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米、加・メキシコ製自動車への関税導入30日延期を検

ワールド

ゼレンスキー氏、米との協力に「前向きな進展」 具体

ビジネス

米ISM非製造業総合指数、2月53.5に上昇 価格

ワールド

カナダ、WTOに米との協議を要請 「不当な関税」巡
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
2025年3月11日号(3/ 4発売)

ジャンルと時空を超えて世界を熱狂させる新時代ピアニストの「軌跡」を追う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 2
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行為」「消費増税」に等しいとトランプを批判
  • 3
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない、コメ不足の本当の原因とは?
  • 4
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 5
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 6
    強まる警戒感、アメリカ経済「急失速」の正しい読み…
  • 7
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 8
    定住人口ベースでは分からない、東京23区のリアルな…
  • 9
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 10
    テスラ大炎上...戻らぬオーナー「悲劇の理由」
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天才技術者たちの身元を暴露する「Doxxing」が始まった
  • 4
    ニンジンが糖尿病の「予防と治療」に効果ある可能性…
  • 5
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 6
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 7
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 8
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 9
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 10
    ボブ・ディランは不潔で嫌な奴、シャラメの演技は笑…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 10
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中