アップルウオッチ購入者、「炭素中立」宣伝は偽りと提訴

米アップルの腕時計型端末「アップルウオッチ」シリーズの一部について、同社が打ち出した「炭素中立で環境にやさしい」との宣伝は偽りだとして、購入した消費者が同社をカリフォルニア州北部地区連邦地裁に提訴した。写真は、イベントで展示された「アップルウオッチ」シリーズ。2024年9月、カリフォルニア州のクパチーノで撮影(2025年 ロイター/Manuel Orbegozo)
Jonathan Stempel
[27日 ロイター] - 米アップルの腕時計型端末「アップルウオッチ」シリーズの一部について、同社が打ち出した「炭素中立で環境にやさしい」との宣伝は偽りだとして、購入した消費者が同社をカリフォルニア州北部地区連邦地裁に提訴した。
26日付の訴状によると、アップルウオッチの「シリーズ9」「SE」「ウルトラ2」を買った7人は、本当のことを知っていれば購入しなかったと述べ、損害賠償とこれらの製品をカーボンニュートラル(炭素中立)として売り出すことを禁止するよう求めている。
アップルは2023年9月、この3種類のアップルウオッチの販売を開始した際、二酸化炭素(CO2)排出量削減と排出枠買い入れの組み合わせを通じて、炭素中立を実現すると説明していた。
しかし原告側は、アップルが排出量削減目標達成に依拠したケニアと中国の森林プロジェクトはいずれも、アップルの関与によってCO2を削減できる内容ではなかったと説明。「アップルの炭素中立という主張は虚偽で誤解を招く」と指摘した。
アップルは27日の声明でこの訴訟には直接言及しなかったが、「われわれはアップルウオッチで排出量を75%強と劇的に減らしてきたし、大気中からCO2を除去する自然ベースのプロジェクトに多額の投資をしている」と強調した。