英企業、人件費増にらみ雇用削減加速 輸出受注1年ぶり大幅減=2月PMI

S&Pグローバル/CIPSがまとめた2月の英国の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.5で1月の50.6から小幅低下した。ロンドン金融街近くで2021年撮影。(2025年 ロイター/Toby Melville/File Photo)
[ロンドン 21日 ロイター] - S&Pグローバル/CIPSがまとめた2月の英国の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.5で1月の50.6から小幅低下した。国民保険料の負担増大を控え、企業は値上げに加えて人員削減を加速させた。
雇用指数は45.3から43.5に低下し、2020年11月以来の低水準。コロナ禍の期間を除くと07─08年の金融危機以来、最低となった。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「人員削減を報告した企業の3社に1社が、昨年10月の予算で発表された政策に直接関連していた」と述べた。調査結果は、低成長と高インフレが併存するスタグフレーションを示唆し、イングランド銀行(英中央銀行)はジレンマに陥ると指摘した。
コストは過去2年で最大の伸びとなった。販売価格は1年半ぶりの上昇を記録した1月とほぼ同程度の伸びを示した。
サービスPMIは50.8から51.1に上昇した。
製造業PMIは14カ月ぶりの低水準となる46.4に悪化した。「トランプ関税」が懸念される輸出受注は1年ぶりの大幅減となった。
調査では、一部企業が人件費の上昇と需要低迷に対応し自動化を急いでいると回答した。