英1月財政収支、154億ポンドの黒字 予想下回り財政目標に暗雲
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2月21日、 英国立統計局(ONS)が発表した1月の財政収支は154億ポンド(195億ドル)の黒字となったが、黒字額は英予算責任局(OBR)の予想(205億ポンド)を下回った。写真はスターマー英首相(左)とリーブス財務相。ロンドンで2024年10月代表撮影(2025年 ロイター)
David Milliken
[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が21日発表した1月の財政収支は154億ポンド(195億ドル)の黒字となったが、黒字額は英予算責任局(OBR)の予想(205億ポンド)を下回った。
1月は所得税の納税期限のため財政収支が黒字になる傾向がある。ONSは所得税とキャピタルゲイン税の収入が予想に届かなかったと説明した。
今年度(2024年4月─25年3月)の財政収支は、1月時点で1182億ポンドの赤字だった。赤字額は過去4番目の高水準でOBRの予想(1054億ポンド)を大きく上回った。
ONSによると、1月の黒字が予想を下回ったことに加え、過去の利払いの上方修正と法人税収の下方修正を反映した。
リーブス財務相が10月に発表した秋季予算案では、29/30年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化させる目標を達成するための財政的余裕は99億ポンドしかなかった。
EY・ITEMクラブのチーフ・エコノミスト・アドバイザー、マーティン・スワネル氏は「OBRの最新の見通しで余裕がなくなったことが示された場合、3月に増税や支出削減などの財政再建策を発表する必要があるかもしれない」と述べた。
ONSによると、国有銀行を除く純債務は、国内総生産(GDP)の95.3%となり、前年同月比0.1%ポイント上昇し、1960年代初頭以来の水準となった。
リーブス氏が目標とする非流動資産を含む公共部門の純金融負債はGDPの82.7%と、前年比2.0ポイント上昇した。