エアバス、30年代半ばまでの水素航空機開発計画に遅れ
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欧州航空機大手エアバスは7日、水素を燃料とする商用機を2030年代半ばまでに開発する計画が遅れていると発表した。写真は同社のロゴ。仏サンナゼールで2023年11月撮影(2025年 ロイター/Stephane Mahe)
Tim Hepher
[パリ 7日 ロイター] - 欧州航空機大手エアバスは7日、水素を燃料とする商用機を2030年代半ばまでに開発する計画が遅れていると発表した。技術開発が予想以上に進んでいないことを理由に挙げた。
エアバスは「水素は航空業界を変革するエネルギー源となる可能性を秘めている。しかし、インフラ、生産、流通、規制の枠組みを含む水素エコシステムの開発は、世界的な協力と投資を必要とする大きな挑戦だと認識している」との声明を出した。
エアバスは5年前に初めて水素燃料を導入。それ以来、ギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は、二酸化炭素(CO2)の排出量削減を目指す航空業界における水素燃料導入の先駆者としてこの計画を強く支持してきた。今回の延期はこの野心的な目標を後退させる。
同社は計画の新たなスケジュールを明らかにしなかったが、組合によれば、従業員は週の初めに、この技術が2035年の当初の目標を維持するのに必要なペースよりも5年から10年遅れていると知らされたという。
計画の延期は仏AFP通信が最初に報じた。
エアバス関係者は、100人乗りの水素航空機(恐らくターボプロップ機)の生産計画は、2050年までにCO2排出量実質ゼロを達成する航空業界の目標に対してわずかな貢献しかできないとの見通しを認めているが、将来のより大規模な導入への道を開くと主張している。