ステランティス、米イリノイ州でピックアップトラック生産推進
欧米自動車大手ステランティスは22日、米イリノイ州ベルビディアで新型の中型ピックアップトラックを生産する計画を進めると発表した。写真は同社のロゴ。フランスのパリ近郊で昨年3月撮影(2025年 ロイター/Gonzalo Fuentes)
David Shepardson Nora Eckert
[ワシントン/デトロイト 22日 ロイター] - 欧米自動車大手ステランティスは22日、米イリノイ州ベルビディアで新型の中型ピックアップトラックを生産する計画を進めると発表した。計画の遅れを巡る全米自動車労働組合(UAW)との数カ月にわたる対立に終止符を打つとともに、トランプ大統領の就任に伴い、米国内の生産体制を強化する。
ステランティスは2023年、ベルビディアに32億ドル規模の電池工場を新設するとともに、15億ドルを投じて27年までに新型の中型ピックアップトラックを生産することで合意したが、昨年8月に計画を延期した。
同社は22日、従業員宛てのメモでこれらの投資計画を堅持する方針を伝えた。ロイターがメモの内容を確認した。
ベルビディア工場はUAWにとって、23年終盤に米大手自動車メーカーに対して6週間のストライキを実施して以来、戦場となってきた。
UAWは24年9月、ステランティスがベルビディアの新電池工場とピックアップトラック工場への投資計画を遅らせているなどとして、同社を不当労働行為で提訴した。
UAWのショーン・フェイン会長は声明で「この勝利は労働者が団結して10億ドル規模の企業責任を追及する力を証明するものだ」と強調した。
ステランティスの広報担当は22日、新型の中型ピックアップトラックについて、ガソリン車、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)などの選択肢を含む「当社のマルチエネルギー戦略を最大限に活用する計画だ」と説明した。
また同社は、「ジープ・ラングラー」と「ジープ・グラディエーター」を生産するオハイオ州トレド工場と、インディアナ州ココモのエンジン工場への追加投資も計画しているという。