EEMEAの25年ソブリン債発行1090億ドル、新興国の大部分に=BofA予想
Siddarth S
[22日 ロイター] - BofAグローバル・リサーチは21日付の顧客向けのノートで、2025年に欧州・中東・アフリカ(EEMEA)新興国が発行するハードカレンシー建てソブリン債は1090億ドルに達し、新興国の債券発行額の大部分を占めるとの見通しを示した。
また、25年の新興国でのソブリン債発行額の約65%をEEMEA新興国の国債が占めると予想した。EEMEA新興国の24年の債券発行額は1160億ドルだった。
バークレイズは昨年11月、25年のEEMEA新興国での債券発行額が750億ドルになると予測していた。
新興市場の国や企業は今年に入り、この段階では数年ぶりの高水準となる550億ドル超の債券を発行している。トランプ米第2次政権の誕生前に資金を確保しようと躍起になったことが背景にある。
BofAは、現在は「BBBマイナス」となっているルーマニアのソブリン債の格付けが引き下げられるリスクが高まっていると警告した。
格付け会社フィッチ・レーティングスは昨年12月、ルーマニアの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げ、無効となった大統領選の後の不確実性が財政再建に「重大な悪影響」を及ぼす公算が大きいと指摘している。
BofAは、隣国のハンガリーの政策規律に対しては投資家や格付け会社の信頼が依然低く、通貨フォリントは不安定に推移しており、格付けも引き下げられやすくなっているとの見方を示す。
新興市場で債券発行額が最も多い国の一つのトルコに関しては、インフレと財政赤字が和らぐことで25年末または26年早期にソブリン債の格付けが引き上げられると予想。S&Pグローバルは昨年11月、トルコのソブリン債の格付けを「Bプラス」から「BBマイナス」へ引き上げた。