ファーストリテ、24年9━11月期営業利益7.4%増 中国は予想下回る
1月9日、ファーストリテイリングが発表した2024年9━11月期の連結決算(国際会計基準)は、営業利益が前年同期比7.4%増の1575億円だった。写真は同社の主力ブランド「ユニクロ」のロゴ。2014年7月、都内の店舗で撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai)
Maki Shiraki
[東京 9日 ロイター] - ファーストリテイリング<9983.T>が9日発表した2024年9━11月期連結決算(国際会計基準)では、営業利益が前年同期比7.4%増の1575億円だった。同じ期として過去最高となった。主力ブランドの「ユニクロ」事業では中国が大幅減益だったが、東南アジアや欧米などの一部の海外、国内での販売は好調だった。
25年8月期通期の連結業績見通しは従来予想の営業利益5300億円を据え置いた。IBESがまとめたアナリスト16人の予想平均値5382億円とほぼ同水準となっている。
岡崎健最高財務責任者(CFO)は決算会見で、9━11月期と12月の売上高は業績予想に対し「若干下回る水準だが、営業利益はほぼ計画通り」と説明。中国のユニクロ事業、「ジーユー」事業は予想を下回ったが、国内ユニクロ事業が予想を上回り、東南アジアやインド、豪州地区、欧米のユニクロ事業も計画通りだったため通期予想は維持したという。
9━11月期の中国のユニクロ事業は大幅減益となった。気温が高く秋冬商品の販売が苦戦したほか、「消費意欲が高まっていない」(岡崎CFO)という。構造改革や販売てこ入れ策の取り組みは道半ばで「成果はこれから出していける」(同)とみており、今後は地域ごとの気候やニーズにあった商品の投入時期や商品構成などの改善を図る。
柳井正会長兼社長が昨年11月、強制労働疑惑のある中国・新疆ウイグル自治区産の綿花を使っていないと一部メディアで発言したことを発端にネット上では不買運動が起きていた[nL6N3N007N]が、岡崎CFOは中国での不振は「その問題(が原因)ではないだろう」と分析、今後の動向を「注視していく」とした。
一方、トランプ次期米大統領の政策による影響に関して、岡崎CFOは「どうなるかまだ全く見えない状況。仮定の話を前提に発言するのは避けたい」とした上で、関税引き上げの場合など「(事業)環境が変わったとしても対応できるよう準備はしている」と述べるにとどめた。
国内ユニクロ事業は、上期だけでなく通期でも増収増益となる見込み。昨年12月の国内ユニクロの既存店売上高は単月として過去最高で、前年同月比15.3%増だった。前月に続いて防寒衣料が売れたほか、年末の販売イベントも好調だった[nL4N3O50DG]。
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