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元芸人の井村俊哉氏、東大投資サークルOBと公募投信立ち上げ

2024年12月25日(水)10時14分

12月25日、元お笑い芸人と東京大学投資サークルOBという異色の個人投資家コンビが一般投資家から集める資金で株式運用に乗り出す。写真は、投資家の井村俊哉氏(40、左)と竹入敬蔵氏(38)。3日、都内で撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Shinichi Uchida Mariko Katsumura

[東京 25日 ロイター] - 元お笑い芸人と東京大学投資サークルOBという異色の個人投資家コンビが一般投資家から集める資金で株式運用に乗り出す。投資家の井村俊哉氏(40)と竹入敬蔵氏(38)が来年1月から運用助言を始める公募投信「fundnote日本株Kaihouファンド」の有価証券届出書が25日、関東財務局に提出された。

金融業界での経験などが求められる公募投信の設定はハードルが高く、個人投資家の立場でファンドを立ち上げるのは異例だ。

ファンド運営の実務を担う独立系運用会社fundnoteの川合直也・最高投資責任者(33)によると、1月10日に最低投資金額100万円で募集を始め、27日から運用する。当初の募集上限は100億円。運用期間10年、上限1000億円の設定だ。

アクティブ運用の比較的リスクの高い投信に位置付けられ、新NISA(少額投資非課税制度)の対象外となる。年1.87%(税込み)の信託報酬のほか、年率6%を上回るリターンに対して22%の実績報酬がある。運用会社による直販の形態をとる。

「2人で命をかけてアルファ(超過収益)を獲得する。これは胸を張って言える」。井村氏はこれまで個人投資家として企業の本来価値に比べて割安な状態にある銘柄に集中投資する手法を採用してきたが、今回の投信も基本的な投資哲学は変わらない。日本の上場企業の適時開示の全件チェック、独自モデルのスコアリングなどを通じ20程度の銘柄を選び出す。井村氏が中心となり、投資先企業との対話(エンゲージメント)も行う。

キングオブコントで準決勝に進出したこともある井村氏は2011年に元手100万円で本格的に株式投資を開始。中小型株で実績を積み重ね、ここ数年は竹入氏からのヒントも踏まえて海運、石炭株などを手掛けた。今年は個人にも人気の電子部品株で大勝負に出て一時、通算運用益が100億円に達したものの、結果的には単一銘柄で過去最大の損失を喫した。今後は「日本の家計に貢献する」という大目標に向け、数年がかりで準備してきたファンドの運用に本腰を入れていく。

竹入氏は、金融業界に多くの人材を送り込んでいる東大株式投資クラブ「Agents」に在籍していた。「大きな損も経験したが、その経験こそが役に立った」と当時を振り返る。大学卒業後はゴールドマン・サックス証券でアナリストに従事、著名投資家の片山晃氏が立ち上げたヘッジファンドで勤務した経験もある。大きくリスクを取って実績を残す井村氏に対し「悔しさ」を感じた時期もあったが、「2人で一緒にやればよいファンドができる」と相乗効果に期待する。

ロイター
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