日鉄、USスチール買収でCFIUSの懸念払しょくできず=書簡
12月18日、日本製鉄は米鉄鋼大手USスチール買収計画を巡り、安全保障上の問題を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)に対してさまざまな提案や説得を続けたものの、CFIUS側の懸念を払しょくできなかったもようだ。4月1日、都内の本社で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)
Alexandra Alper
[ワシントン 18日 ロイター] - 日本製鉄は米鉄鋼大手USスチール買収計画を巡り、安全保障上の問題を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)に対してさまざまな提案や説得を続けたものの、CFIUS側の懸念を払しょくできなかったもようだ。CFIUSが14日付で日本製鉄に送った書簡の内容をロイターが確認して分かった。
CFIUSは23日までにバイデン米大統領に買収計画を承認するか、審査を延長するか、あるいは計画を認めないことを提言する見通し。書簡によると、CFIUSを構成する関係省庁の間でなお意見がまとまっておらず、このままの状況ならば最終的にバイデン氏の判断に委ねられる形になる。
バイデン氏は以前から買収に反対しており、計画は阻止される公算が大きい。
書簡には、9月初めから日本製鉄がCFIUS側と対面で4回、電話で3回の協議をしたとの経緯が記されている。直近では13日にも米財務省および米商務省の事務局との話し合いがあった。また、日本製鉄は安全保障上の懸念を和らげるための対応策も3回提案していたという。
しかし、書簡では「CFIUSは、当事者が提案したこれらの措置に実効性があるのか、取引によって生じる国家安全保障のリスクが解決されるのか依然として合意に達していない。大統領は安全保障を損なう恐れがある取引は禁止もしくは差し止めが適切と見なすので、そうした際にはしかるべき行動を取るかもしれない」と結論が下された。
ホワイトハウス、米商務省、日本製鉄はコメント要請に回答しなかった。米財務省はコメントを拒否した。
USスチールは、日本製鉄がUSスチールにとって「圧倒的に明るい未来」を提供してくれると強調。日本製鉄が約束した数十億ドルの投資は他のいかなる相手も実行できず、USスチール独力ではそのような経営資源を確保しておらず、今後も持ち得ないとした。
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