ニュース速報
ワールド

仏、シリア問題で来年1月に国際会議主催へ

2024年12月19日(木)10時35分

 12月18日、フランス政府は、アサド政権が崩壊したシリアを巡る問題を協議する国際会議を来年1月に主催すると発表した。写真は、崩壊のニュースを受けてシリア反体制派の旗を掲げる人々。12月8日、パリのレピュブリック広場で撮影(2024年 ロイター/Piroschka Van De Wouw)

John Irish

[パリ 18日 ロイター] - フランス政府は18日、アサド政権が崩壊したシリアを巡る問題を協議する国際会議を来年1月に主催すると発表した。

フランスの外交団は17日、シリアの首都ダマスカスに入って政権移行チームと会談した。フランスは2012年にアサド前政権との関係を断絶して以来、閉鎖していたダマスカスの駐シリア大使館を再開した。

バロ外相代行は議会で、フランス外交団はシリアの政権移行チームから好ましいシグナルを受け取り、少なくともダマスカスでは市民が日常生活を取り戻すことが妨げられている様子は見えなかったと報告。ただ、今後については「政権移行チームの言葉ではなく行動で判断していく」と強調した。

来年1月の国際会議は、ヨルダンで先週開かれたトルコとアラブ諸国、西側諸国による会議を引き継ぐ形になる。現時点でシリアが参加するかどうかや、正確な議題は分かっていない。

バロ氏は、シリアの次期政権はさまざまな勢力を包容することが重要になると指摘。西側主要国が制裁解除や復興支援に動くには、次期政権が政治や安全保障の面で明確な約束をすることが条件になるとの考えを示した。

フランスはアサド前政権と断交後、シリア北部を実効支配してきたクルド人主体の反体制組織「シリア民主軍(SDF)」などを支援してきた。

SDFは、過激派組織「イスラム国」(IS)に対する戦闘では米国の同盟相手となっている。一方、SDF指導部のクルド人民防衛隊(YPG)については、トルコが長年テロ組織に指定しているクルド労働者党(PKK)の派生団体と見なしている。

こうした中でバロ氏は、トルコがPKKに安全保障面の懸念を持っているのは承知しているものの、関係者全ての利益を満足させる取り決めを見つけ出すのは可能だと確信していると言及。次期政権にはISと前線で戦ってきたSDFの代表者も含める必要があると訴えた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

減量薬と併せた対応が肥満症治療に効果、「可能性切り

ビジネス

再送非伝統的政策は完全な代替手段にならず、2%目標

ビジネス

VW、国内工場閉鎖抜きの再建策で労組と合意に近づく

ワールド

香港中銀が0.25%利下げ、FRBに追随 今後のペ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 2
    遠距離から超速で標的に到達、ウクライナの新型「ヘルミサイル」ドローンの量産加速
  • 3
    「制御不能」な災、黒煙に覆われた空...ロシア石油施設、ウクライナ軍のドローン攻撃で深夜に爆発 映像が話題に
  • 4
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 9
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 10
    アサドは国民から強奪したカネ2億5000万ドルをロシア…
  • 1
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式多連装ロケットシステム「BM-21グラート」をHIMARSで撃破の瞬間
  • 2
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いするかで「健康改善できる可能性」の研究
  • 3
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 4
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 5
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 8
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 9
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 10
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 9
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中