減量薬と併せた対応が肥満症治療に効果、「可能性切り開く」とWHO

世界保健機関(WHO)は今週、デンマークのノボノルディスクや米イーライリリーが開発したウゴービやマンジャロなど新たなクラスに属する肥満症治療薬が、健康的な食事や他の医療処置などと併せることで効果が現れる可能性があるとの見解を表明した。写真はノボノルディスクのウゴービ。ノルウェーのオスロで昨年11月撮影(2024年 ロイター/Victoria Klesty/Illustration)
Jennifer Rigby
[ロンドン 18日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は今週、デンマークのノボノルディスクや米イーライリリーが開発したウゴービやマンジャロなど新たなクラスに属する肥満症治療薬が、健康的な食事や他の医療処置などと併せることで効果が現れる可能性があるとの見解を表明した。
WHOによると、世界中で10億人以上が肥満で、各地で問題が深刻化している。肥満関連死は2019年に500万人に及んだ。WHOは、新しいクラスの治療薬併用が「肥満症パンデミック(世界的大流行)終息の可能性を切り開く」との見方を示した。
WHOのチーフサイエンティストのジェレミー・ファーラー氏らが「米国医師会雑誌(JAMA)」に寄稿し、GLP─1受容体作動薬と呼ばれる新薬は「変革をもたらす可能性がある」と見解を表明した。同薬の可能性に絡んでWHOがこれほど明確に言及したのは初めて。
寄稿文では「薬物治療だけ」では肥満問題に対処するには十分ではないとも言及した。肥満は最善の予防と治療の研究が今以上に必要な慢性疾患ととらえ、臨床医や各国政府、製薬業界、一般の人が認識を改めるよう促した。