ECB、漸進的に中立金利まで向かうべき=シュナーベル専務理事
欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事(写真)はブルームバーグに対し、利下げは漸進的に進めるべきであり、経済の構造的欠陥の解消につながらないとして、成長を刺激する水準まで金利を引き下げるべきではないとの見解を示した。2022年撮影。(2024年 ロイター/Jim Urquhart)
[フランクフルト 27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事はブルームバーグに対し、利下げは漸進的に進めるべきであり、経済の構造的欠陥の解消につながらないとして、成長を刺激する水準まで金利を引き下げるべきではないとの見解を示した。
ECBは少なくとも来年6月までは、今後開催される全ての理事会で利下げを実施すると予想されており、現在3.25%の中銀預金金利は2025年末には1.75%になると見込まれている。この水準は多くのエコノミストにとって、成長を刺激し始めるのに十分低いものと見なされている。
ただ、シュナーベル氏はこうした見方に反発しているようだ。中銀の刺激策は構造的な問題を解決せず、経済ショックがECBの迅速な行動を必要とする時のための貴重な政策的余地を浪費するものでさえあると主張した。
27日に配信されたインタビュー記事によると、同氏は「インフレ見通しを踏まえると、今後発表されるデータがわれわれのベースシナリオを確認し続ければ、漸進的に(成長を刺激も減速もさせない)中立(金利)に向かうことができると思う」と指摘。「緩和的な領域へと踏み込む行き過ぎに私は警告したい。現在の観点からはそれは適切ではないと思う」と語った。
一部の政策当局者は、インフレ率が予測よりも急速に低下し、目標をアンダーシュートする(下回り過ぎる)可能性があるため、利下げペースの加速を求めている。
シュナーベル氏はこうした前提も否定。「インフレに対するリスクは現在、よりバランスが取れている。アンダーシュートの大きなリスク、特にわれわれの側からの対応を正当化するようなリスクは見られない」と述べた。
さらに、ユーロ圏の景気後退も見られないとし、消費主導の回復の兆しがいくつか出ていると話した。