英小売売上高、10月は前月比-0.7% 予算案発表控え失速
11月22日、英国立統計局(ONS)が発表した10月の小売売上高(数量ベース)は前月比0.7%減と、予想以上の落ち込みとなった。写真は10月、ロンドンで撮影(2024年 ロイター/Jaimi Joy)
[ロンドン 22日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が22日発表した10月の小売売上高(数量ベース)は前月比0.7%減と、予想以上の落ち込みとなった。新政権の予算案発表を控えて消費が手控えられた。
ロイターがまとめた市場予想は0.3%減だった。今年6月(1.0%減)以降で最大の落ち込みとなった。
9月の小売売上高も0.3%増から0.1%増に下方改定された。
統計発表を受け、ポンド/ドルは0.2セント下落したが、その後、値を戻した。
10月は特に衣料品の販売が3.1%減と低迷した。9月は0.3%増だった。英小売協会(BRC)は温暖な天候が原因と分析している。
ONSは、イングランドとウエールズの学校のハーフターム休暇が今年は10月のデータ報告期間に入らなかったことも影響した可能性があるとしている。
10月の小売売上高は前年同月比では2.4%増。9月の3.2%から鈍化し、ロイターがまとめた市場予想の3.4%増を下回った。
リーブス財務相は予算案で個人への大幅な増税を見送り、企業への増税を導入した。
会計事務所RSM・UKの小売り担当責任者、ジャッキー・ベイカー氏は、11月のブラックフライデーと12月のクリスマス商戦で小売売上高が回復すると予想。
「予算案は増税という形で消費者に大きな打撃を与えなかった。また、金利の低下が続き、米国の選挙も終わった。今後、信頼感が強まり、クリスマス商戦への道が開けるだろう」と述べた。