米共和党の州知事、州投資機関に中国資産の早期売却命令
米テキサス州のアボット知事(共和党、写真)は、金融と安全保障上のリスクを理由に、中国への投資を停止し、できるだけ早く資産を売却するよう州の投資機関に命じた。7月撮影。(2024年 ロイター/Callaghan O'hare/File Photo)
[シンガポール/香港 22日 ロイター] - 米テキサス州のアボット知事(共和党)は、金融と安全保障上のリスクを理由に、中国への投資を停止し、できるだけ早く資産を売却するよう州の投資機関に命じた。
11月21日付の書簡で、中国共産党の「好戦的な行動」がテキサス州の対中投資のリスクを高めているとし、投資家に撤退を指示した。州の投資機関が公的資金で新たに中国に投資するのを禁止し、既存の投資は可能な限り早急な引き揚げを求めた。今年に入り、800億ドルの運用資産を抱えるテキサス大学/テキサスA&M大学投資運用会社(UTIMCO)に中国投資の解消を指示したとしている。
このほか、州の投資機関としてテキサス州教師年金システム(TRS)がある。年次報告書によると運用資産は2105億ドル。人民元建ておよび香港ドル建てのエクスポージャーは約14億ドル。中国インターネットサービス大手の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)に時価で3億8500万ドル相当投資している。
22日の中国株式市場は大幅に下落。香港市場のテンセント株は後場に約2%下げた。
ディーラーによると、中国景気刺激策を巡る失望ですでに弱かった地合いが、テキサス州の話で一段と悪化した。
UOBケイヒアン(香港)の幹部は「米国の対中政策が厳しくなると分かっているが、こういうニュースが出るたびに香港のセンチメントを圧迫することになる」と述べた。