米、ロシアのガスプロムバンクに新たな制裁 取引禁止や資産凍結
米財務省は11月21日、ロシア国営天然ガス企業ガスプロム系列の銀行ガスプロムバンクに対して新たな制裁を科したと発表した。写真は同行のロゴ。6月5日、サンクトペテルブルクで撮影(2024年 ロイター/Anton Vaganov)
Timothy Gardner
[ワシントン 21日 ロイター] - 米財務省は21日、ロシア国営天然ガス企業ガスプロム系列の銀行ガスプロムバンクに対して新たな制裁を科したと発表した。バイデン大統領が来年1月の退任を前に、ウクライナに侵攻するロシアへ一段と厳しい姿勢を打ち出した形だ。
今回の制裁により、ガスプロムバンクは米国の金融システムを利用するエネルギー関連取引が一切できなくなり、米国人との取引は禁じられ、米国資産は凍結される。
ウクライナ政府は、欧州のガスプロムの顧客から天然ガス代金を受け取る役割を担うガスプロムバンクにより強力な制裁を発動してほしい、と米国に要請していた。
また米財務省は、ロシアの国際金融システムとの関係を制限し、戦争に必要な技術や装備を入手するための取引に利用されるのを防ぐ目的で、ロシアの中小銀50行にも制裁を科した。同省は、これらの対象行とコルレス契約を続ける外国金融機関は二次制裁のリスクを抱えることになると警告した。
イエレン財務長官は「これらの包括的な対応はロシアが米国の制裁を逃れ、軍の資金や装備を調達するのを一層難しくする。ロシアのウクライナにおける違法かつ挑発によらざる戦争を支えるために使われるいかなる金融チャネルも徹底的に取り締まる措置を引き続き講じていく」と発言した。