ニュース速報
ワールド

トランプ氏、米学校選択制を拡大へ 私学奨学金への税控除適用も

2024年11月22日(金)10時57分

 11月21日、トランプ次期米大統領(写真)は、「学校選択」制度を大幅に拡大し、数十万世帯の家庭が子どもを私立学校に通わせやすくする方針だ。写真は19日、テキサス州ブラウンズビルで代表撮影(2024年 ロイター)

Andy Sullivan

[ワシントン 21日] - トランプ次期米大統領は、「学校選択」制度を大幅に拡大し、数十万世帯の家庭が子どもを私立学校に通わせやすくする方針だ。トランプ氏が公約に掲げた教育省の廃止は難しいものの、私立学校の奨学金基金への寄付に税控除が適用される可能性はかなり高いと専門家はみる。

トランプ氏は今週、米プロレス団体「WWE」元トップで、前政権では中小企業局長を務めたリンダ・マクマホン氏を教育長官に指名。その際に学校選択制の拡大を最優先事項にするとした。

公立学校に不満がある家庭が私立学校に通う費用を政府が補助すべきだと保守派は主張する。一方、教職員の労働組合や多くの民主党議員は、学校選択制度が約5000万人の米国の子どもを教育している公立学校のシステムを弱体化させると訴えている。

学校選択制度の擁護団体エドチョイスによると、米国で100万人を超える生徒が学校選択制度に参加しており、これは新型コロナウイルスのパンデミックによって公立学校が閉鎖された前の約2倍に当たる。推進派は、連邦政府による制度拡大で数十万人増える可能性があるとみている。

マクマホン氏は公的資金を私立学校に投入することを提唱するトランプ氏寄りの団体「アメリカ・ファースト・ポリシー・インスティテュート」の会長を務めている。同団体は数回にわたるコメント要請に応じなかった。

今月の選挙結果を受けて共和党が上下両院の多数派となることで、私立学校の奨学金基金に寄付をした人や企業への税控除をする法案が前進することが見込まれている。

今年10月に下院歳入委員会を通過した法案は、私立学校の奨学金基金に寄付をした個人や企業は納税額の最大10%の控除を受けられる内容だ。

寄付金は、その地域の平均所得(中央値)の3倍以内の所得がある家庭が申請でき、授業料や家庭教師、書籍代などの費用に充てることができる。歳入委員会によると、この制度によって連邦政府は年間約50億ドルの税収減となる。

奨学金基金は独立して運営され、どの政府によっても管理されず、特定の生徒のために資金を確保することは許されない。

公立学校の教職員約300万人が加盟する全米教育協会は、この法案は公立学校より学費が高く、何を教え、誰を対象とし、どのように資金を扱うかを明らかにする必要のない学校に補助金を出すことになると問題視。他の学校選択制度と同じように、公立学校から事実上資金を奪うことになると反発している。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

高市首相、トランプ米大統領と電話会談 今春訪米を調

ビジネス

独製造業PMI、12月改定47.0に低下 10カ月

ビジネス

ユーロ圏製造業PMI、12月48.8に縮小 9カ月

ワールド

イランで大規模デモ、景気低迷への抗議で死者も トラ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 4
    感じのいい人が「寒いですね」にチョイ足ししている…
  • 5
    【現地発レポート】米株市場は「個人投資家の黄金時…
  • 6
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    日本人の「休むと迷惑」という罪悪感は、義務教育が…
  • 10
    「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果と…
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 3
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中