日経平均は小幅続伸、見送りムード強く方向感乏しい
11月11日 東京株式市場で日経平均は、前営業日比32円95銭高の3万9533円32銭と、小幅に続伸して取引を終えた。写真は2020年10月、東京証券取引所で撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Hiroko Hamada
[東京 11日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比32円95銭高の3万9533円32銭と、小幅に続伸して取引を終えた。国内企業の決算発表を見極めたいとするムードや、米国のトランプ次期政権の政策を巡る先行き不透明感から、積極的な取引は手控えられた。日経平均は1日を通して方向感の乏しい展開となった。
日経平均は前営業日比83円安と小幅安でスタートした後、プラス転換し一時98円高の3万9598円で高値を付けた。その後は前営業日終値を行ったり来たりする展開が続き、明確な方向感は出なかった。後場は一段と膠着感が強まり、値幅は160円程度にとどまった。一方、企業の決算発表を手掛かりにした物色は引き続き活発だった。
米大統領選に勝利したトランプ前大統領は関税引き上げなどを主張しており、市場では警戒する声が聞かれた。「同氏の掲げる政策はマクロ的には実質GDP(国内総生産)を押し下げる方向に働くとみられる」(国内証券・チーフ株式ストラテジスト)として、特に自動車や電気機器など製造業に影響が出ると予想されている。
楽天証券経済研究所のシニアマーケットアナリスト・土信田雅之氏「政策が動き出すのは来年以降で今は思惑で動いている状況だが、積極的なポジションは傾けづらい」と話す。目先の日本株については上値を追っていく材料が乏しく、「4万円台を超えられても、4万1000円程度が上値めどになるのではないか」(土信田氏)という。
TOPIXは0.09%安の2739.68ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.09%安の1409.92ポイント。東証プライム市場の売買代金は4兆2256億0500万円だった。東証33業種では、非鉄金属、ゴム製品、倉庫・運輸関連など11業種が値上がり。化学、石油・石炭製品、鉄鋼など22業種は値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.72%高の631.38ポイントと、4日続伸した。
個別では、決算を受けてソニーグループが6%高となった一方、SUMCOが4%超安、スクウェア・エニックス・ホールディングスが10%超安だった。
指数寄与度の大きいファーストリテイリングは小幅高、ソフトバンクグループは1%超高。トヨタ自動車は小幅安だった。アドバンテストは1%超高、東京エレクトロンは小幅高だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり698銘柄(42%)に対し、値下がりが909銘柄(55%)、変わらずが39銘柄(2%)だった。