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NY市場サマリー(13日) ドル/円下落、株続伸 利回り低下

2024年09月14日(土)06時36分

<為替> 米連邦準備理事会(FRB)が来週の会合で大幅利下げに踏み切る可能性とあるとの観測が高まり、ドルが対円で約9カ月ぶりの安値を付けた。

ニューヨーク連銀のダドリー前総裁が前日、0.50%ポイントの利下げを実施する強い論拠があるとの認識を示したほか、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)と英紙ファイナンシャル・タイムズ(FT)が0.50%ポイントの利下げが実施される選択肢はなお残っていると報じた。

市場関係者は、こうしたことを背景に市場の観測が変化したと指摘。金利先物市場では現在、FRBが17─18日の会合で0.50%ポイントの利下げを決定する確率が51%であることが織り込まれている。前日時点の確率は約15%だった。

終盤の取引でドル/円は0.66%安の140.855円。一時は140.285円と、昨年12月28日以来の安値を付けた。

ユーロ/ドルは0.08%高の1.1083ドル。欧州中央銀行(ECB)は12日に開いた理事会で0.25%ポイントの利下げを決定。ただ、ラガルド総裁の発言を受け、来月の追加利下げの観測は後退した。

主要6通貨に対するドル指数は0.08%安の101.08。

英ポンド/ドルは0.01%安の1.31235ドル。イングランド銀行(中央銀行)は19日の金融政策委員会で金利据え置きを決定するとみられている。

来週はFRBと英中銀ほか、日銀も政策決定会合を開く。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りが低下した。ダドリー前ニューヨーク連邦銀行総裁の発言や米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などの報道を受け、米連邦準備理事会(FRB)が来週、大幅な利下げに踏み切るとの観測が再び高まった。

ダドリー前ニューヨーク連邦銀行総裁は17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが50ベーシスポイント(bp)の利下げを実施する強い論拠があるとの認識を示した。

市場参加者はまた、FRBの利下げ幅が25bpになるか50bpになるか予断を許さない可能性があるという、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などの報道も材料視した。

CMEグループのデータによると、50bpの利下げの可能性は51%とみられている。12日の28%から上昇した。

しかし市場では、経済が引き続き底堅く、インフレ率はやや高止まりしているという最近の兆候を踏まえると、大幅な金利調整の必要性については懐疑的な見方が大勢を占めている。

FOMCを控えブラックアウト期間に入る前のFRB高官の発言は、25bpの利下げを承認した上で、さらにおそらくより大きな利下げ余地を残しているものとみられている

指標となる10年債利回りは3.647%。12日の3.68%から低下した。2年債利回りは3.576%に低下した。12日は3.648%だった。

2年債と10年債の利回り格差は7bpだった。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 続伸して取引を終えた。投資家は来週の米連邦準備理事会(FRB)による利下げ幅拡大の可能性に注目し、金利に敏感な小型株がアウトパフォームした。

CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む50ベーシスポイント(bp)利下げ期待は49%に急上昇した。12日は28%だった。

ダドリー前ニューヨーク連邦銀行総裁は17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが50bpの利下げを実施する強い論拠があるとの認識を示した。

市場参加者はまた、FRBの利下げ幅が25bpになるか50bpになるか予断を許さない可能性があるという、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などの報道も材料視した。

大幅利下げへの期待再燃は大型株指数を押し上げるとともに、小型株で構成するラッセル2000指数に最も顕著に表れた。

デザインソフトウエア大手の米アドビは8.5%下げた。第4・四半期業績予想の不振を嫌気した。

米航空機大手ボーイングは3.7%安。同社労働組合は13日早くから米北西部の工場で16年ぶりとなるストライキに突入した。

格安電子商取引(EC)サイト「Temu(ティームー)」を世界展開する中国のPDDホールディングスも2.4%下落。バイデン政権が低額輸入小包の免税制度を抑制する動きを見せたことが弱材料となった。

反面、米配車サービス大手ウーバーは6.4%上昇。アルファベット傘下のウェイモと提携し、テキサス州オースティンなどで自律走行車を導入すると発表した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 米国の大幅利下げ観測が高まる中、ドル売り・ユーロ買いの流れが優勢となり続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比30.10ドル(1.17%)高の1オンス=2610.70ドル。前日に続き、史上最高値を更新した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が来週17、18日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で、大幅利下げ実施を検討しているとの一部報道を背景に、外国為替市場では対ユーロでドルが下落。ドル建てで取引される金の割安感が意識され、相場は終日プラス圏で推移した。また米長期金利の低下も、利回りを生まない商品にとっては支援材料となった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ハリケーン襲来に伴う供給不安が緩和する中で売られ、3営業日ぶりに反落した。 米国産標準油種WTIの中心限月10月物は前日清算値(終値に相当)比0.32ドル (0.46%)安の1バレル=68.65ドルだった。週間では1.45%高。11月物 は0.40ドル安の67.75ドル。

米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、ハリケーン「フランシーヌ」は11日 米ルイジアナ州南部に上陸。13日時点ではフランシーヌは勢力を弱め、温帯低気圧に変 わったという。フランシーヌは依然として周辺地域に豪雨などをもたらす可能性があるものの、メキシコ湾岸の米各石油会社の一部が操業再開の準備を始めたと伝わる中、これまで高まっていた供給懸念が和らぎ、原油が売られた。

また、世界的な景気減速がくすぶる中でエネルギー需要見通しに警戒感は根強く、引き続き相場を圧迫した。国際エネルギー機関(IEA)は12日公表の月報で、2024年の世界石油需要の伸びに関する見通しを日量90万バレル増と、前回予想から引き下げた。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 140.82/140.85

始値 140.7

高値 141.01

安値 140.29

ユーロ/ドル NY終値 1.1076/1.1077

始値 1.109

高値 1.1101

安値 1.1073

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 104*20.00 3.9838%

前営業日終値 104*13.00 3.9960%

10年債(指標銘柄) 17時05分 101*25.50 3.6570%

前営業日終値 101*19.50 3.6800%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*27.50 3.4347%

前営業日終値 100*23.00 3.4660%

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*09.75 3.5866%

前営業日終値 100*06.13 3.6480%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 41393.78 +297.01 +0.72

前営業日終値 41096.77

ナスダック総合 17683.98 +114.30 +0.65

前営業日終値 17569.68

S&P総合500種 5626.02 +30.26 +0.54

前営業日終値 5595.76

COMEX金 12月限 2610.7 +30.1

前営業日終値 2580.6

COMEX銀 12月限 3107.4 +96.7

前営業日終値 3010.7

北海ブレント 11月限 71.61 ‐0.36

前営業日終値 71.97

米WTI先物 10月限 68.65 ‐0.32

前営業日終値 68.97

CRB商品指数 273.8370 +0.8512

前営業日終値 272.9858

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