ニュース速報
ビジネス

FRB、米大手行は商業用不動産市場の衝撃に耐えると判断

2024年06月27日(木)09時28分

6月26日、米連邦準備理事会(FRB)は、国内大手銀行に対する健全性審査(ストレステスト)の結果、各行は商業用不動産の価格が40%下落した場合の衝撃に耐えることができるとの判断を示した。写真はニューヨークのオフィスビル。2023年7月撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)

Michelle Conlin

[ニューヨーク 26日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は26日、国内大手銀行に対する健全性審査(ストレステスト)の結果、各行は商業用不動産の価格が40%下落した場合の衝撃に耐えることができるとの判断を示した。商業用不動産業者の収益が長期にわたる高金利で圧迫される中、銀行業界を巡る不安が和らげられた。

新型コロナウイルスのパンデミック局面で定着した仕事習慣が続く中、オフィスビルの空室率は過去最高水準に上昇している。この影響を銀行がどの程度受けているかを見極めるため、投資家はストレステストの結果を注視していた。

ジャニー・モンゴメリー・スコットの調査責任者、クリス・マリナック氏は「多くの点で、銀行が非常に厳しい局面を乗り切れることが示されたのは、安心感をもたらすはずだ」と述べた。「だが、商業用不動産を巡る不透明感が解消されたとFRBが考えているわけではない。現在は依然、信用サイクルの初期段階にある」と付け加えた。

FRBはストレステストで、米住宅価格が36%下落、株価が55%下落、失業率は10%といった深刻な景気の悪化を想定して銀行のバランスシートを検証。その結果、大手銀行は深刻な世界的景気後退の局面でも家計と企業に融資を続けることができるとの判断が示された。

想定される状況下で見込まれる商業用不動産の損失比率は、ゴールドマン・サックスが最も高く15.9%、RBC(USA)は15.8%、キャピタル・ワンは14.6%、ノーザン・トラストは13%となった。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:中国「白酒」が西側進出へ、メーカーは販売

ワールド

アングル:300%インフレのアルゼンチン、「主食」

ビジネス

アングル:FRB当局者、インフレ鈍化に安堵 利下げ

ビジネス

NY外為市場=ドル小幅安、PCEデータ受け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:小池百合子の最終章
特集:小池百合子の最終章
2024年7月 2日号(6/25発売)

「大衆の敵」をつくり出し「ワンフレーズ」で局面を変える小池百合子の力の源泉と日和見政治の限界

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着たのか?...「お呼ばれドレス」5選
  • 3
    「地球温暖化を最も恐れているのは中国国民」と欧州機関の意識調査で明らかに...その3つの理由とは?
  • 4
    女性判事がナイトクラブで大暴れ! 胸が見えてもお構…
  • 5
    ミラノ五輪狙う韓国女子フィギュアのイ・ヘイン、セク…
  • 6
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地.…
  • 7
    ロシアの人工衛星が軌道上で分解...多数の「宇宙ごみ…
  • 8
    ガチ中華ってホントに美味しいの? 中国人の私はオス…
  • 9
    あまりの激しさで上半身があらわになる女性も...スー…
  • 10
    「死刑囚だけど、会いたいから行ってるだけ」和歌山…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地...2枚の衛星画像が示す「シャヘド136」発射拠点の被害規模
  • 3
    ミラノ五輪狙う韓国女子フィギュアのイ・ヘイン、セクハラ疑惑で3年間資格停止に反論「恋人同士だった」
  • 4
    ガチ中華ってホントに美味しいの? 中国人の私はオス…
  • 5
    「大丈夫」...アン王女の容態について、夫ローレンス…
  • 6
    衛星画像で発見された米海軍の極秘潜水艇「マンタレ…
  • 7
    貨物コンテナを蜂の巣のように改造した自爆ドローン…
  • 8
    ロシア軍部隊を引き裂く無差別兵器...米軍供与のハイ…
  • 9
    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着た…
  • 10
    8人負傷のフィリピン兵、1人が「親指失う」けが...南…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に
  • 3
    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア
  • 4
    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…
  • 5
    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…
  • 6
    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 7
    新型コロナ変異株「フラート」が感染拡大中...今夏は…
  • 8
    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…
  • 9
    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…
  • 10
    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中